ニュース速報

ビジネス

米失業保険申請100万件割れ、3月半ば以来の低水準

2020年08月14日(金)03時04分

米労働省が13日発表した8日までの週の新規失業保険申請件数(季節調整済み)は96万3000件と、前週の119万1000件から減少した。写真はアーカンソー州フォートスミスで失業保険申請に並ぶ市民ら。4月撮影(2020年 ロイター/NICK OXFORD)

[ワシントン 13日 ロイター] - 米労働省が13日発表した8日までの週の新規失業保険申請件数(季節調整済み)は96万3000件と、前週の119万1000件から減少した。米国で新型コロナウイルスの流行が始まってから初めて100万件を割り込み、3月半ば以来の低水準となった。

市場予想は112万件だった。

PNCフィナンシャル(ピッツバーグ)のチーフエコノミスト、ガス・ファウチャー氏は「失業が米経済の大きな問題であることに変わりはない」と指摘。「週600ドルの失業給付上乗せが7月末に期限切れとなったことで、失業保険申請が減少した可能性がある。また、職探しの促進にもつながっているかもしれない」と述べた。

失業保険申請件数は3月下旬に過去最悪となる686万7000件に達していた。

ハイ・フリークエンシー・エコノミクスのチーフ米国エコノミスト、ルベーラ・ファルーキ氏は「事業が再開し、雇用が回復しているとしても、一時解雇は続いている。恒久的な雇用喪失と労働市場への打撃に関するリスクは依然として高い。米経済はパンデミック(世界的大流行)前の水準に戻るまで長く不確実な道のりに直面している」と語った。

MUFG(ニューヨーク)のチーフエコノミスト、クリス・ラプキー氏は「失業給付を週600ドル上積みする特例措置が7月末で失効したことが申請件数減少の一部要因だった」とし、「労働市場からの出血を止めるにはまだ長い道のりが残されているため、勝利はまだ宣言できない」と述べた。

1日までの1週間の失業保険受給総数は1548万6000件と、前の週から60万4000件減少。7月25日までの1週間で失業手当を受けていた人は2830万人と前の週から306万6000人減少したものの、労働市場が回復から程遠いことが示唆された。

*内容を追加しました。

ロイター
Copyright (C) 2020 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

トランプ氏、ウクライナ大統領と会談 トマホーク供与

ビジネス

米セントルイス連銀総裁、雇用にリスクなら今月の追加

ワールド

米ロ結ぶ「プーチン—トランプ」トンネルをベーリング

ビジネス

米中分断、世界成長に打撃へ 長期的にGDP7%減も
MAGAZINE
特集:日本人と参政党
特集:日本人と参政党
2025年10月21日号(10/15発売)

怒れる日本が生んだ「日本人ファースト」と参政党現象。その源泉にルポと神谷代表インタビューで迫る

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    【クイズ】日本でツキノワグマの出没件数が「最も多い県」はどこ?
  • 2
    日本で外国人から生まれた子どもが過去最多に──人口減少を補うか
  • 3
    お腹の脂肪を減らす「8つのヒント」とは?...食事以外の「2つの隠れた要因」が代謝を狂わせていた
  • 4
    【クイズ】世界で2番目に「金の産出量」が多い国は?
  • 5
    疲れたとき「心身ともにゆっくり休む」は逆効果?...…
  • 6
    【クイズ】サッカー男子日本代表...FIFAランキングの…
  • 7
    「認知のゆがみ」とは何なのか...あなたはどのタイプ…
  • 8
    間取り図に「謎の空間」...封印されたスペースの正体…
  • 9
    大学生が「第3の労働力」に...物価高でバイト率、過…
  • 10
    ビーチを楽しむ観光客のもとにサメの大群...ショッキ…
  • 1
    お腹の脂肪を減らす「8つのヒント」とは?...食事以外の「2つの隠れた要因」が代謝を狂わせていた
  • 2
    まるで『トップガン』...わずか10mの至近戦、東シナ海で「中国J-16」 vs 「ステルス機」
  • 3
    中国人が便利な「調理済み食品」を嫌うトホホな理由とは?
  • 4
    フィリピンで相次ぐ大地震...日本ではあまり報道され…
  • 5
    ベゾス妻 vs C・ロナウド婚約者、バチバチ「指輪対決…
  • 6
    悲しみで8年間「羽をむしり続けた」オウム...新たな…
  • 7
    時代に逆行するトランプのエネルギー政策が、アメリ…
  • 8
    「中国のビットコイン女王」が英国で有罪...押収され…
  • 9
    かばんの中身を見れば一発でわかる!「認知症になり…
  • 10
    メーガン妃の動画が「無神経」すぎる...ダイアナ妃を…
  • 1
    かばんの中身を見れば一発でわかる!「認知症になりやすい人」が持ち歩く5つのアイテム
  • 2
    「大谷翔平の唯一の欠点は...」ドジャース・ロバーツ監督が明かすプレーオフ戦略、監督の意外な「日本的な一面」とは?
  • 3
    カミラ王妃のキャサリン妃への「いら立ち」が話題に...「少々、お控えくださって?」
  • 4
    増加する「子どもを外注」する親たち...ネオ・ネグレ…
  • 5
    悲しみで8年間「羽をむしり続けた」オウム...新たな…
  • 6
    バフェット指数が異常値──アメリカ株に「数世代で最…
  • 7
    「日本の高齢化率は世界2位」→ダントツの1位は超意外…
  • 8
    お腹の脂肪を減らす「8つのヒント」とは?...食事以…
  • 9
    【クイズ】日本人が唯一「受賞していない」ノーベル…
  • 10
    数千円で買った中古PCが「宝箱」だった...起動して分…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中