ニュース速報

ビジネス

新型コロナで景気落ち込み、かなり深刻度大きい=日銀大阪支店長

2020年04月09日(木)16時47分

 4月9日、日銀の山田泰弘大阪支店長(理事)は、支店長会議後の記者会見で、新型コロナウイルスの感染拡大による管内の景気の落ち込みについて「かなり深刻度は大きい。企業の業況感は非常に悪くなっている」と述べた。写真は都内で2016年9月撮影(2020年 ロイター/Toru Hanai)

[東京 9日 ロイター] - 日銀の山田泰弘大阪支店長(理事)は9日、支店長会議後の記者会見で、新型コロナウイルスの感染拡大による管内の景気の落ち込みについて「かなり深刻度は大きい。企業の業況感は非常に悪くなっている」と述べた。

日銀は地域経済報告(さくらリポート)で、全9地域の総括判断を引き下げた。[nL3N2BX1JM]近畿の判断は前回1月の「一部に弱めの動きが見られるものの、緩やかな拡大を続けている」から、「新型コロナウイルス感染症の拡大の影響により、弱い動きとなっている」に引き下げた。

山田支店長は判断引き下げの理由として、1)各国の移動制限でインバウンドの流れが事実上ストップしたほか、外出の手控えで個人消費も軟化、2)輸出・生産の弱さに広がりが見られている、3)設備投資では5G関連や省人化投資は積極的だが、感染拡大で企業業績の不確実性が大きく投資計画見直しの可能性――の3点を指摘した。

企業の資金繰りについては「幅広い業種で、売り上げ減少による資金繰りへの影響が見られている」と指摘。管内の地域金融機関は政府系金融機関と連携しながら資金繰り支援に努めているが、山田支店長は「新型コロナの企業活動への影響は不確実。(地域金融機関が)サポートし続けているか、注意深く見ていきたい」と述べた。

緊急事態宣言については「消費を始め一時的に経済活動には影響をもたらすが、外出制限の徹底で感染症の拡大が早期に抑えられることが期待される」と指摘した。

(和田崇彦 編集:田中志保)

ロイター
Copyright (C) 2020 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

EU、ロシア中銀資産の無期限凍結で合意 ウクライナ

ワールド

ロシア、ウクライナ南部の2港湾攻撃 トルコ船舶3隻

ワールド

タイとカンボジアが攻撃停止で合意、トランプ氏が両国

ビジネス

FRB現行策で物価目標達成可能、労働市場が主要懸念
MAGAZINE
特集:ジョン・レノン暗殺の真実
特集:ジョン・レノン暗殺の真実
2025年12月16日号(12/ 9発売)

45年前、「20世紀のアイコン」に銃弾を浴びせた男が日本人ジャーナリストに刑務所で語った動機とは

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    デンマーク国防情報局、初めて米国を「安全保障上の脅威」と明記
  • 2
    【衛星画像】南西諸島の日米新軍事拠点 中国の進出を睨み建設急ピッチ
  • 3
    受け入れ難い和平案、迫られる軍備拡張──ウクライナの選択肢は「一つ」
  • 4
    【クイズ】「100名の最も偉大な英国人」に唯一選ばれ…
  • 5
    【揺らぐ中国、攻めの高市】柯隆氏「台湾騒動は高市…
  • 6
    【銘柄】オリエンタルランドが急落...日中対立が株価…
  • 7
    首や手足、胴を切断...ツタンカーメンのミイラ調査開…
  • 8
    「前を閉めてくれ...」F1観戦モデルの「超密着コーデ…
  • 9
    人手不足で広がり始めた、非正規から正規雇用へのキ…
  • 10
    中国軍機の「レーダー照射」は敵対的と、元イタリア…
  • 1
    日本人には「当たり前」? 外国人が富士山で目にした「信じられない」光景、海外で大きな話題に
  • 2
    【銘柄】オリエンタルランドが急落...日中対立が株価に与える影響と、サンリオ自社株買いの狙い
  • 3
    日本の「クマ問題」、ドイツの「問題クマ」比較...だから日本では解決が遠い
  • 4
    兵士の「戦死」で大儲けする女たち...ロシア社会を揺…
  • 5
    【衛星画像】南西諸島の日米新軍事拠点 中国の進出…
  • 6
    健康長寿の鍵は「慢性炎症」にある...「免疫の掃除」…
  • 7
    デンマーク国防情報局、初めて米国を「安全保障上の…
  • 8
    キャサリン妃を睨む「嫉妬の目」の主はメーガン妃...…
  • 9
    ホテルの部屋に残っていた「嫌すぎる行為」の証拠...…
  • 10
    中国軍機の「レーダー照射」は敵対的と、元イタリア…
  • 1
    東京がニューヨークを上回り「世界最大の経済都市」に...日本からは、もう1都市圏がトップ10入り
  • 2
    一瞬にして「巨大な橋が消えた」...中国・「完成直後」の橋が崩落する瞬間を捉えた「衝撃映像」に広がる疑念
  • 3
    高速で回転しながら「地上に落下」...トルコの軍用輸送機「C-130」謎の墜落を捉えた「衝撃映像」が拡散
  • 4
    日本人には「当たり前」? 外国人が富士山で目にした…
  • 5
    「999段の階段」を落下...中国・自動車メーカーがPR…
  • 6
    【銘柄】オリエンタルランドが急落...日中対立が株価…
  • 7
    「髪形がおかしい...」実写版『モアナ』予告編に批判…
  • 8
    日本の「クマ問題」、ドイツの「問題クマ」比較...だ…
  • 9
    膝が痛くても足腰が弱くても、一生ぐんぐん歩けるよ…
  • 10
    まるで老人...ロシア初の「AIヒト型ロボット」がお披…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中