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大型台風で損保の保険金8000億円超に、保険料上げや準備金増で対応

2019年11月19日(火)17時53分

 11月19日、大手損保3社によると、今年の台風15号、台風19号による2019年度の元受ベースの発生保険金は合計8688億円となった。写真は台風19号によって破壊された家。福島県で10月撮影(2019年 ロイター/Soe Zeya Tun)

[東京 19日 ロイター] - 大手損保3社によると、今年の台風15号、台風19号による2019年度の元受ベースの発生保険金は合計8688億円となった。19日、決算会見で各社の幹部が明らかにした。西日本豪雨などで1兆5000億円超に膨らんだ18年度には及ばないものの、各社は火災保険料の値上げや異常危険準備金の積み増しなどで自然災害リスクに備える方針を示した。

各社の予想のうち、保険金額の予想が最大となったのはMS&ADインシュアランスグループホールディングス<8725.T>で、合計3650億円(台風15号が1350億円、台風19号が2300億円)。他社に比べ、被害が広範囲にわたった千葉県でのマーケットシェアが大きいことが響いた。

一方、SOMPOホールディングス<8630.T>は合計2720億円(同1320億円、1400億円)、東京海上ホールディングス<8766.T>が合計2318億円(同1118億円、1200億円)となった。

国内の自然災害の増加で、SOMPOは20年3月期の当期利益予想を下方修正。前期比14.6%増の1680億円から19.5%減の1180億円と、一転減益予想となった。

他の2社は当期利益予想は据え置いた。異常危険準備金の取り崩しなどにより、利益への影響を回避する。

損害保険料率算出機構は10月、火災保険料の目安となる「参考純率」を平均4.9%引き上げると発表した。19日の会見では、将来の火災保険料引き上げを明言する社が相次いだ。

東京海上HDの藤田裕一専務取締役は「19年度も(大型の自然災害が)発生していることや、建物の老朽化などで水濡れ破損損害が増加していることを分析し、社内の事業費の削減状況も勘案して適正な料率を算出していく。引き上げも視野に対応していきたい」と述べた。SOMPOHDの浜田昌宏グループCFO(最高財務責任者)は21年1月の火災保険料値上げを明言。「(参考純率の上げ幅)4.9%にさらに積み上げた状態での値上げを想定している」と話した。

MS&ADは、傘下の三井住友海上が今期中に300億円の異常危険準備金の追加積み増しを行う。9月末の火災保険向けの異常危険準備金の残高は1003億円。MS&ADの大川畑文昭専務執行役員は、異常危険準備金について「災害規模や再保険の状況も勘案しながら、積み立て額や目標の立て方について総合的に検討する」と話した。

(和田崇彦 編集:田中志保)

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