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米JPモルガン、第3四半期利益が予想上回る 個人向け金融事業が好調

2018年10月13日(土)04時50分

 10月12日、米銀大手JPモルガン・チェースが発表した2018年第3・四半期決算は、債券トレーディングが不振だったものの、金利上昇を受けた金利収入の増加や貸し出しの伸びが寄与し、利益は予想を上回った。ニューヨークで昨年1月撮影(2018年 ロイター/STEPHANIE KEITH)

[12日 ロイター] - 米銀大手JPモルガン・チェースが発表した2018年第3・四半期決算は、債券トレーディングが不振だったものの、金利上昇を受けた金利収入の増加や貸し出しの伸びが寄与し、利益は予想を上回った。

主要4部門はすべて増収で、個人向け金融部門が最も好調だった。

ジェイミー・ダイモン最高経営責任者(CEO)は、トランプ米大統領の減税や規制緩和の取り組みを称賛する一方で、地政学面の不確実性の高まりが将来、経済に打撃を与える可能性があると指摘。「経済面と地政学面で不確実性が高まっているにもかかわらず、米経済、および世界経済は引き続き堅調だ。ただ、将来のある時点で経済がマイナスの影響を受ける恐れはある」と述べた。

JPモルガン株は午前の取引で約1%高。寄り前取引では1.3%上昇していた。

金利上昇が住宅ローンなどに影を落としているが、平均的な中核ローンは6%増加した。

ただ、米中貿易戦争や世界的な成長鈍化を巡る懸念を背景に、トレーディング収入は2.5%減少。債券・株トレーディングを含む市場・投資家向けサービス部門の収入は1%の増加にとどまった。債券取引の収入は10%減少。株取引の収入は17%増加した。

総収入は5.2%増の278億2000万ドル。

純利益は24.5%増の83億8000万ドル、1株2.34ドルだった。リフィニティブのI/B/E/Sデータによると、アナリストの予想は1株2.25ドルだった。

純金利収入は7%増加し141億ドル。米連邦準備理事会(FRB)が昨年第3・四半期からこれまでに4回の利上げを実施したことが追い風となっている。

非金利費用は7.2%増の156億ドル。アナリストの予想は約157億ドルだった。銀行業界ではテクノロジー投資を拡大したり事業を拡充したりする動きがでている。

コンサルタント会社オピマスのオクタビオ・マレンツィ最高経営責任者(CEO)はJPモルガンの決算について、「すべてが良好で安定している」と評価。「米銀行業界全体にとって幸先が良い」と述べた。

*内容を更新しました。

ロイター
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