ニュース速報

ユーロ圏総合PMI速報値、8月は51.8に上昇 見通しは悪化

2019年08月23日(金)01時50分

[ベンガルール 22日 ロイター] - IHSマークイットが発表した8月のユーロ圏総合購買担当者景気指数(PMI)速報値は51.8と、前月の51.5から小幅に上昇した。ただ先行き見通しなどが軟調だったことで、欧州中央銀行(ECB)は9月の理事会で利下げを決定する軌道から外れないとみられる。

ロイターがまとめた市場予想は51.2だった。50が好不況の分かれ目となる。

サービス業が好調だったほか、製造業の縮小ペースも鈍化した。ただ、貿易摩擦を背景に先行きの見通しを示す指標は過去6年あまりで最低の水準に落ち込んだ。

企業の楽観度を示す総合先行き生産指数は55.5と、2013年5月以来の低水準。前月は58.8だった。

IHSマークイットのチーフ・ビジネス・エコノミスト、クリス・ウィリアムソン氏は「ユーロ圏経済の力学は8月もほとんど変わっていない。サービス業が堅調に拡大し、引き続き経済全体を下支えしており、製造業の縮小が続いているにもかかわらず、全体ではプラス圏を維持している」と指摘。

「経済全体の拡大ペースは上向いているが、第3・四半期のこれまでのPMIデータに基づくと、域内総生産(GDP)が0.1─0.2%増にとどまるとの見方に変わりはない」と述べた。

INGのユーロ圏担当シニアエコノミスト、バート・コリーン氏は「ユーロ圏経済が第3・四半期半ばにマイナス成長に陥った公算が小さいことが示された」と指摘。モルガン・スタンレーのエコのミストも顧客へのノートで「今回の上振れは歓迎すべきもので、現時点では景気がそれほど大きく減速したわけではないことが示された」とした。ただ「拡大のペースがトレンドを下回る状態は続いており、これによりECBによる9月の利下げは正当化される」との見方も示した。

8月のサービス部門PMI速報値は53.4で、前月の53.2から上昇。ロイターがまとめた市場予想の53.0を上回った。ただ、期待指数は約5年ぶり低水準の57.3。前月は61.2だった。

8月の製造業PMI速報値は47.0で、前月の46.5から上昇。ロイターがまとめた市場予想の46.2を上回った。7カ月連続で50を下回った。

総合PMIに盛り込まれる生産指数は47.8で、前月の46.9から上昇した。ただ製造業者の楽観度を示す先行き生産指数は51.0で、2012年11月以来の低水準だった。

IHSマークイットのウィリアムソン氏は「最近の景気減速から急ピッチな回復が見られないことが、企業心理に悪影響を及ぼしている。企業は低迷長期化を覚悟しているようだ。その結果、人員の拡大に慎重な向きが増えている」と述べた。

*内容を追加しました。

ロイター
Copyright (C) 2019 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

米当局が当面ベネズエラ運営、会見でトランプ氏表明 

ワールド

米がベネズエラ攻撃、マドゥロ大統領拘束 未明に首都

ワールド

米がベネズエラ攻撃、マドゥロ大統領拘束 未明に首都

ワールド

ベネズエラ石油施設に被害なし、米の攻撃後も通常稼働
MAGAZINE
特集:ISSUES 2026
特集:ISSUES 2026
2025年12月30日/2026年1月 6日号(12/23発売)

トランプの黄昏/中国AI/米なきアジア安全保障/核使用の現実味......世界の論点とキーパーソン

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    眠る筋力を覚醒させる技術「ブレーシング」とは?...強さを解放する鍵は「緊張」にあった
  • 2
    中国軍の挑発に口を閉ざす韓国軍の危うい実態 「沈黙」は抑止かそれとも無能?
  • 3
    2026年の節目に問う 「めぐみの母がうらやましい」── 韓国拉致被害者家族が見る日韓の絶望的な差
  • 4
    前進するロシア、忍び寄る限界...勝者に見えるプーチ…
  • 5
    アメリカ、中国に台湾圧力停止を求める
  • 6
    「断食」が細胞を救う...ファスティングの最大効果と…
  • 7
    マイナ保険証があれば「おくすり手帳は要らない」と…
  • 8
    感じのいい人が「寒いですね」にチョイ足ししている…
  • 9
    松本清張はなぜ「昭和の国民作家」に上り詰めたのか…
  • 10
    トランプの圧力、ロシアの侵攻...それでも揺るがぬウ…
  • 1
    ウクライナ水中ドローンが、ロシア潜水艦を爆破...「史上初の攻撃成功」の裏に、戦略的な「事前攻撃」
  • 2
    「腸が弱ると全身が乱れる」...消化器専門医がすすめる「腸を守る」3つの習慣とは?
  • 3
    前進するロシア、忍び寄る限界...勝者に見えるプーチン、その先は袋小路か
  • 4
    マイナ保険証があれば「おくすり手帳は要らない」と…
  • 5
    中国軍の挑発に口を閉ざす韓国軍の危うい実態 「沈黙…
  • 6
    アジアの豊かな国ランキング、日本は6位──IMF予測
  • 7
    なぜ筋肉を鍛えても速くならないのか?...スピードの…
  • 8
    【銘柄】子会社が起訴された東京エレクトロン...それ…
  • 9
    90代でも元気な人が「必ず動かしている体の部位」と…
  • 10
    「すでに気に入っている」...ジョージアの大臣が来日…
  • 1
    日本がゲームチェンジャーの高出力レーザー兵器を艦載、海上での実戦試験へ
  • 2
    90代でも元気な人が「必ず動かしている体の部位」とは何か...血管の名医がたどり着いた長生きの共通点
  • 3
    ウクライナ水中ドローンが、ロシア潜水艦を爆破...「史上初の攻撃成功」の裏に、戦略的な「事前攻撃」
  • 4
    アジアの豊かな国ランキング、日本は6位──IMF予測
  • 5
    人口減少が止まらない中国で、政府が少子化対策の切…
  • 6
    日本人には「当たり前」? 外国人が富士山で目にした…
  • 7
    【銘柄】オリエンタルランドが急落...日中対立が株価…
  • 8
    日本の「クマ問題」、ドイツの「問題クマ」比較...だ…
  • 9
    「腸が弱ると全身が乱れる」...消化器専門医がすすめ…
  • 10
    『SHOGUN 将軍』の成功は嬉しいが...岡田准一が目指…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中