ニュース速報

インタビュー:米中首脳会談の開催望む=マルムストローム欧州委員

2019年06月15日(土)05時46分

[ジュネーブ 14日 ロイター] - 欧州連合(EU)欧州委員会の欧州委員会のマルムストローム委員(通商担当)は14日、今月末に大阪で開かれる20カ国・地域(G20)首脳会議(サミット)に合わせ米中首脳会談が開かれることを望んでいると述べた。

委員はロイターのインタビューに対し、「米中首脳会談が実現すれば、全世界が歓迎するだろう」と述べた。ただ、両国間の問題はこれだけでは解決しないとの見方も示した。

米中が相互に関税措置を導入するなど、両国間の通商を巡る軋轢は高まっており、全面的な貿易戦争が勃発すれば世界的な景気後退(リセッション)が引き起こされるとの懸念が出ている。

マルムストローム委員は、中国は米国を含む西側諸国からの投資を呼び込み続けるために改革を実施すると同時に、「大規模な政府助成を縮小させる必要がある」と述べた。

通商問題を巡る米国の中国に対する主張について、EUは大部分で賛同できるとしながらも、EUは世界貿易機関(WTO)を通して紛争を解決したり、新たな規則について交渉したりするなど、米国とは異なる手段を利用すると指摘。トランプ米大統領が現在実施している措置では得られる変革に限りがあるとの考えを示し、「中国の体制変更は達成できないと考えている。中国が突然、完全な民主国家になり、人権を完全に尊重する国に生まれ変われば素晴らしいが、こうしたことは一夜では起こらない。そして、関税措置でこうしたことが起きることもない」と述べた。

トランプ大統領は欧州の自動車に対する関税を発動させるかはまだ決定していない。これについてマルムストローム委員は、欧州自動車メーカーは米国で42万人の雇用を作り出していることを「トランプ政権、議会上院、企業などに説明」するというのが自身の対応となると述べた。

ロイター
Copyright (C) 2019 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

イスラエル戦略問題相が辞任、ガザ停戦交渉で中心的役

ビジネス

サッポロHD、連結純利益予想を上方修正 国内ビール

ワールド

COP30、先住民デモ隊と警備隊が会場入り口で衝突

ワールド

米FDA、ベテラン腫瘍学部門責任者を新薬審査部門ト
MAGAZINE
特集:世界最高の投手
特集:世界最高の投手
2025年11月18日号(11/11発売)

日本最高の投手がMLB最高の投手に──。全米が驚愕した山本由伸の投球と大谷・佐々木の活躍

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    ギザのピラミッドにあると言われていた「失われた入口」がついに発見!? 中には一体何が?
  • 2
    『プレデター: バッドランド』は良作?駄作?...批評家たちのレビューは「一方に傾いている」
  • 3
    【写真・動画】世界最大のクモの巣
  • 4
    「不気味すぎる...」カップルの写真に映り込んだ「謎…
  • 5
    コロンビアに出現した「謎の球体」はUFOか? 地球外…
  • 6
    ドジャースの「救世主」となったロハスの「渾身の一…
  • 7
    「流石にそっくり」...マイケル・ジャクソンを「実の…
  • 8
    冬ごもりを忘れたクマが来る――「穴持たず」が引き起…
  • 9
    【銘柄】エヌビディアとの提携発表で株価が急騰...か…
  • 10
    【クイズ】韓国でGoogleマップが機能しない「意外な…
  • 1
    【写真・動画】世界最大のクモの巣
  • 2
    「不気味すぎる...」カップルの写真に映り込んだ「謎の存在」がSNSで話題に、その正体とは?
  • 3
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」はどこ?
  • 4
    『プレデター: バッドランド』は良作?駄作?...批評…
  • 5
    「座席に体が収まらない...」飛行機で嘆く「身長216c…
  • 6
    ドジャースの「救世主」となったロハスの「渾身の一…
  • 7
    「遺体は原型をとどめていなかった」 韓国に憧れた2…
  • 8
    筋肉を鍛えるのは「食事法」ではなく「規則」だった.…
  • 9
    「路上でセクハラ」...メキシコ・シェインバウム大統…
  • 10
    クマと遭遇したら何をすべきか――北海道80年の記録が…
  • 1
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」はどこ?
  • 2
    英国で「パブ離れ」が深刻化、閉店ペースが加速...苦肉の策は「日本では当たり前」の方式だった
  • 3
    【クイズ】ヒグマの生息数が「世界で最も多い国」はどこ?
  • 4
    「不気味すぎる...」カップルの写真に映り込んだ「謎…
  • 5
    【写真・動画】世界最大のクモの巣
  • 6
    1000人以上の女性と関係...英アンドルー王子、「称号…
  • 7
    【クイズ】クマ被害が相次ぐが...「熊害」の正しい読…
  • 8
    【クイズ】日本でツキノワグマの出没件数が「最も多…
  • 9
    今年、記録的な数の「中国の飲食店」が進出した国
  • 10
    【クイズ】1位は「蚊」...世界で「2番目に」人間を殺…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中