ニュース速報

米政権、サウジなどに80億ドル規模の武器売却へ イラン情勢受け

2019年05月25日(土)06時57分

[ワシントン 24日 ロイター] - トランプ米大統領は、イランとの緊張で国家非常事態にあるとして、サウジアラビア、アラブ首長国連邦(UAE)、ヨルダンへの80億ドル規模の武器売却を承認した。

議会はサウジなどへの武器売却を阻止してきたが、武器輸出管理法には、国家非常事態の場合は議会で審議しなくても大統領が武器売却を承認できると規定されている。

ポンペオ国務長官は声明で、武器売却が「同盟国を支援し、中東地域の安定性を強化するほか、イランから自国を守る一助となる」と強調。さらに、議会を回避したことについては「1回限りの決定」と説明した。

トランプ政権は同日、3カ国に対する22件の武器売却を進めることを議会に通知。ロイターが入手した通知文書には、3カ国に提供される製品やサービスが広範囲にわたって記されており、レイセオンの精密誘導弾(PGM)やボーイングのF15戦闘機へのサポート、レイセオンとロッキード・マーチンが製造した対戦車ミサイル「ジャベリン」などが含まれている。

議会筋によれば、通知文書には議会が阻止してきたあらゆる防衛装備が記されているという。

上院外交委員会のボブ・メネンデス議員(民主党)は「トランプ政権は再び国家安全保障上の長期的な利益の確保や人権保護を優先せず、代わりにサウジアラビアのような独裁国家に便宜を与えようとしている。驚きではないが、失望する」と語った。

外交委のリッシュ委員長(共和党)は、「複数の武器売却」を進める意向が記された正式な通知を政権から受け取ったと明らかにし、法的な正当性について精査していると述べた。

ホワイトハウスと国務省は現時点でコメント要請に応じていない。

*情報を追加します

ロイター
Copyright (C) 2019 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

AIブーム、崩壊ならどの企業にも影響=米アルファベ

ワールド

ゼレンスキー氏、19日にトルコ訪問 和平交渉復活を

ワールド

中国の渡航自粛、観光庁長官「影響を注視」 10月は

ワールド

北朝鮮、米韓首脳会談の成果文書に反発 対抗措置示唆
MAGAZINE
特集:世界も「老害」戦争
特集:世界も「老害」戦争
2025年11月25日号(11/18発売)

アメリカもヨーロッパも高齢化が進み、未来を担う若者が「犠牲」に

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    東京がニューヨークを上回り「世界最大の経済都市」に...日本からは、もう1都市圏がトップ10入り
  • 2
    「ゲームそのまま...」実写版『ゼルダの伝説』の撮影風景がSNSで話題に、「再現度が高すぎる」とファン興奮
  • 3
    悪化する日中関係 悪いのは高市首相か、それとも中国か
  • 4
    「中国人が10軒前後の豪邸所有」...理想の高級住宅地…
  • 5
    【銘柄】ソニーグループとソニーFG...分離上場で生ま…
  • 6
    「まじかよ...」母親にヘアカットを頼んだ25歳女性、…
  • 7
    マイケル・J・フォックスが新著で初めて語る、40年目…
  • 8
    一瞬にして「巨大な橋が消えた」...中国・「完成直後…
  • 9
    山本由伸が変えた「常識」──メジャーを揺るがせた235…
  • 10
    南京事件を描いた映画「南京写真館」を皮肉るスラン…
  • 1
    東京がニューヨークを上回り「世界最大の経済都市」に...日本からは、もう1都市圏がトップ10入り
  • 2
    一瞬にして「巨大な橋が消えた」...中国・「完成直後」の橋が崩落する瞬間を捉えた「衝撃映像」に広がる疑念
  • 3
    まるで老人...ロシア初の「AIヒト型ロボット」がお披露目会で「情けない大失態」...「衝撃映像」がSNSで拡散
  • 4
    「死ぬかと思った...」寿司を喉につまらせた女性を前…
  • 5
    【銘柄】ソニーグループとソニーFG...分離上場で生ま…
  • 6
    【写真・動画】「全身が脳」の生物の神経系とその生態
  • 7
    筋肉の正体は「ホルモン」だった...テストステロン濃…
  • 8
    「イケメンすぎる」...飲酒運転で捕まった男性の「逮…
  • 9
    「ゲームそのまま...」実写版『ゼルダの伝説』の撮影…
  • 10
    「中国人が10軒前後の豪邸所有」...理想の高級住宅地…
  • 1
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」はどこ?
  • 2
    東京がニューヨークを上回り「世界最大の経済都市」に...日本からは、もう1都市圏がトップ10入り
  • 3
    英国で「パブ離れ」が深刻化、閉店ペースが加速...苦肉の策は「日本では当たり前」の方式だった
  • 4
    【クイズ】ヒグマの生息数が「世界で最も多い国」は…
  • 5
    一瞬にして「巨大な橋が消えた」...中国・「完成直後…
  • 6
    「不気味すぎる...」カップルの写真に映り込んだ「謎…
  • 7
    【写真・動画】世界最大のクモの巣
  • 8
    【クイズ】クマ被害が相次ぐが...「熊害」の正しい読…
  • 9
    まるで老人...ロシア初の「AIヒト型ロボット」がお披…
  • 10
    今年、記録的な数の「中国の飲食店」が進出した国
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中