コラム

パンデミック後の3つの近未来マクロシナリオ

2021年01月07日(木)14時30分

パンデミックを超長期視点で見てみると...... 初詣に訪れる人々 2021年1月4日 REUTERS/Issei Kato

<大きな時代の変曲点の今。このパンデミックを超長期視点で見たときの3つのマクロシナリオを想定してみた...... >

まだまだ世界的なパンデミックの収束は見えない状態だ。二回目の今回は一回目でお伝えした「バックキャスティング」の起点としてこのパンデミックを超長期視点で見たときの3つのマクロシナリオを想定してみた。実際の変化は3つのシナリオが単体で表出するのではなく、複合的な状態で私たちは目にすることになるだろう。

そこでその複合的な状態を示すためにチャートも作成してみた。チャートではそのトレンドとその相関関係、長期視点で継続し、影響が残る要素、今後の論点となりそうな要素を抽出してある。

fujimoto0107b.png


fujimoto0107c.png


fujimoto0107d.png

シナリオ1:レジリエンスの高い日本の優位性が高まる

低成長・デフレ、少子高齢化、継続的な財政緩和と不均衡、すべてにおいて日本は世界の先行事例であり、単なる"負け"ではないことはすでに多くの識者も指摘している視点である。今後、世界の多くの国が経験する、社会の情報化を推進力とした成熟した社会のあり方を世界に先駆けて体現している最中である。

日本が長らく経験してきたこれらの状態は、先進国においては遅かれ早かれ訪れるものであったが,低成長,デフレなどはCovid-19を機会に多くの国が一気に直面することになるだろう。世界に数十年さきがけて、その状況下で過ごした日本がその中で会得したものを、どの様に世界に提示できるかがこのポストコロナの時代には問われている。

プロフィール

藤元健太郎

野村総合研究所を経てコンサルティング会社D4DR代表。広くITによるイノベーション,新規事業開発,マーケティング戦略,未来社会の調査研究などの分野でコンサルティングを展開。J-Startupに選ばれたPLANTIOを始め様々なスタートアップベンチャーの経営にも参画。関東学院大学非常勤講師。日経MJでコラム「奔流eビジネス」を連載中。近著は「ニューノーマル時代のビジネス革命」(日経BP)

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

9月実質賃金1.4%減、9カ月連続マイナス 物価上

ワールド

プーチン氏、核実験再開の提案起草を指示 トランプ氏

ワールド

北朝鮮、米国が「敵視」と制裁に反発 相応の措置警告

ビジネス

リーブス英財務相、銀行を増税対象から除外へ=FT
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:高市早苗研究
特集:高市早苗研究
2025年11月 4日/2025年11月11日号(10/28発売)

課題だらけの日本の政治・経済・外交を初の女性首相はこう変える

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    「不気味すぎる...」カップルの写真に映り込んだ「謎の存在」がSNSで話題に、その正体とは?
  • 2
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」はどこ?
  • 3
    虹に「極限まで近づく」とどう見える?...小型機パイロットが撮影した「幻想的な光景」がSNSで話題に
  • 4
    NY市長に「社会主義」候補当選、マムダニ・ショック…
  • 5
    「なんだコイツ!」網戸の工事中に「まさかの巨大生…
  • 6
    カナダ、インドからの留学申請74%を却下...大幅上昇…
  • 7
    もはや大卒に何の意味が? 借金して大学を出ても「商…
  • 8
    【ウクライナ】要衝ポクロウシクの攻防戦が最終局面…
  • 9
    若いホホジロザメを捕食する「シャークハンター」シ…
  • 10
    「白人に見えない」と言われ続けた白人女性...外見と…
  • 1
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」はどこ?
  • 2
    「不気味すぎる...」カップルの写真に映り込んだ「謎の存在」がSNSで話題に、その正体とは?
  • 3
    【クイズ】クマ被害が相次ぐが...「熊害」の正しい読み方は?
  • 4
    【クイズ】ヒグマの生息数が「世界で最も多い国」は…
  • 5
    【ウクライナ】要衝ポクロウシクの攻防戦が最終局面…
  • 6
    9歳女児が行方不明...失踪直前、防犯カメラに映った…
  • 7
    【クイズ】1位は「蚊」...世界で「2番目に」人間を殺…
  • 8
    「日本のあの観光地」が世界2位...エクスペディア「…
  • 9
    女性の後を毎晩つけてくるストーカー...1週間後、雨…
  • 10
    だまされやすい詐欺メールTOP3を専門家が解説
  • 1
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」はどこ?
  • 2
    英国で「パブ離れ」が深刻化、閉店ペースが加速...苦肉の策は「日本では当たり前」の方式だった
  • 3
    【クイズ】ヒグマの生息数が「世界で最も多い国」はどこ?
  • 4
    かばんの中身を見れば一発でわかる!「認知症になり…
  • 5
    1000人以上の女性と関係...英アンドルー王子、「称号…
  • 6
    「不気味すぎる...」カップルの写真に映り込んだ「謎…
  • 7
    悲しみで8年間「羽をむしり続けた」オウム...新たな…
  • 8
    【クイズ】クマ被害が相次ぐが...「熊害」の正しい読…
  • 9
    【クイズ】日本でツキノワグマの出没件数が「最も多…
  • 10
    お腹の脂肪を減らす「8つのヒント」とは?...食事以…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story