[シンシナティ 27日 ロイター] - 米大統領選の民主党候補指名を確実にしたヒラリー・クリントン前国務長官の集会に27日、副大統領候補の1人であるエリザベス・ウォーレン上院議員(マサチューセッツ州選出)が初参加した。共和党候補指名が確定したドナルド・トランプ氏について、強欲さと憎悪に突き動かされた「自信のない守銭奴」などと鋭い批判を展開した。
ウォーレン議員は、本選で激戦が予想されるオハイオ州のシンシナティで、クリントン氏と並んで熱狂的な聴衆の前に姿を現した。演説の中で、クリントン氏が進歩的な価値観を掲げる戦いにキャリアを費やしてきたのに対し、不動産王のトランプ氏は自らの金儲けに専念してきたと主張。トランプ氏は平均的米国人の味方ではなく、自分のことしか関心がないと繰り返し非難した。
「ドナルド・トランプ氏が米国を偉大にすると言うとき、それは彼のような金持ちにとってもっと偉大な国にするという意味だ」と同議員は語り、「自分の欲しいものをすべて手に入れるため、国民を粉々になるまで踏みつぶす。彼はそういう人間だ」と警告した。
さらに演説の途中でクリントン氏を振り返り、「彼女は怒りっぽいガキ大将をいかに打ち負かすかを知っている」と述べた。
クリントン氏は党候補指名獲得を確実にした後も、指名争いを続けるバーニー・サンダース上院議員の熱心な支持者の取り込みに苦慮している。党内進歩派の重鎮で、ウォール街への規制や所得格差の解消を訴えるウォーレン議員が応援することで、少しでも支持を広げたいと期待する。
一方のトランプ氏は声明で、ウォーレン議員を「裏切り者」呼ばわりした。クリントン氏がウォール街から献金を受け取っていることが背景にある。またNBCとのインタビューでは、ウォーレン議員が先住民出身だと経歴をでっち上げて出世したと主張した。
「彼女は米上院で最も成果の少ない議員の1人だ」とし、17世紀に実在した先住民女性の名である「ポカホンタス」と呼んだ。
クリントン氏の副大統領候補に名前が挙がるティム・ケイン上院議員(バージニア州選出)とシェロッド・ブラウン上院議員(オハイオ州選出)はロイターに対し、トランプ氏の主張は根拠がないと退けた。
「それが彼のやり口だ。ほかの誰かの人格を攻撃しているようで、実は自分の人格を傷つけている」とブラウン議員は指摘。ケイン議員は「トランプ氏の言うことは一切信じられない」と語った。
クリントン氏は集会でマイクを受け取り、ウォーレン議員の舌鋒鋭い批判を評価した。ライバルや批判者に無礼な言葉を浴びせるトランプ氏の「神経を逆なでするのが小気味良い」と語った。
ウォーレン議員との初共演を披露するのにオハイオ州シンシナティを選んだクリントン陣営の判断は、このスイング・ステート(有権者の意見が民主・共和のどちらにでも転ぶ可能性のある州)の決定的な役割を浮き彫りにした。
オハイオ州は1964年以降に当選した大統領候補を必ず支持しており、この州を制することなく当選した共和党大統領はいない。