[ジュネーブ 10日 ロイター] - イッシング元欧州中央銀行(ECB)専務理事は10日、フランスで開幕したサッカー欧州選手権(ユーロ2016)などで武装勢力による攻撃があれば、欧州連合(EU)離脱の是非を問う英国民投票に影響が出かねないとの認識を示した。
イッシング氏はスイスの銀行関係者向けのセミナーで、英国の有権者が離脱賛成派・反対派の主張をすべて消化しきれていないと指摘。「例えば、難民問題で何か起きれば、結果は決まりだ。例えば、欧州選手権でテロ行為があれば、やはり結果は決まりだ。合理的な決断ではない」と述べた。
英国のEU離脱は大きな懸念要因だが、最大の懸念要因ではないとも指摘。「最大の懸念は、長期にわたって続いてきた(EUの)統合が逆行するきっかけになりかねないということだ。(フランスの)国民戦線など多くの国の過激派は、そうした事例を待ち構えている。これをきっかけに非常に制御しがたい動きが広がる恐れがある」と述べた。
同氏は、多くの有権者が政治家や既成政党への信頼を失っていると発言。「友人から『次回のG7首脳会議に、米国大統領ドナルド・トランプ氏、イタリア大統領ベッペ・グリッロ氏、英国首相ボリス・ジョンソン氏が出席したらどうなる』という冗談を聞かされた」とし、「おかしな話だが、非常に憂慮すべき事態だ。多くの有権者が自暴自棄になっていることを示している」と述べた。