[東京 2日 ロイター] - 2日の東京株式市場で日経平均<.N225>は前日比で一時400円を超す下げとなった。市場関係者からは、一時1ドル108円台後半まで円高が進行し、投資家心理が悪化。海外勢を中心とした短期筋の売りに押されたとの指摘が出ている。安倍晋三首相が前日、消費増税延期を決定し、秋の経済対策編成を表明したことで、政策期待がいったん後退したことも株安要因となったという。

市場参加者の見方は以下の通り。

●理由なき円高に気味の悪さくすぶる

<マネックス証券 チーフ・ストラテジスト 広木隆氏>

日経平均の下げのきっかけは前日午後から急速に円高になったためだが、海外時間でも戻さず、理由なき円高に気味の悪さがくすぶっている。5月末にかけて政策期待の高まりを背景に非常に堅調だったが、消費増税延期が明らかとなり、出尽くしたタイミングでガクッと来た印象だ。

OPEC総会やECB理事会、米雇用統計などイベントが目白押しで、買い向かう投資家が不在になっていることを見越した売りが出ているもよう。もっとも、何の理由もなしに大きく売られることは連日続かない。目先の下げは一時的にとどまり、イベントを見極めながら一進一退を繰り返すだろう。

●安倍首相会見で政策期待がいったん後退

<三井住友アセットマネジメント シニアストラテジスト 市川雅浩氏>

足元の株安の背景としては、短期間での円高進行による心理的な影響が大きい。英国のEU(欧州連合)残留問題をめぐる調査で、離脱派が優勢となったことで警戒感が広がっていた。また昨日の安倍首相の会見では、経済対策の規模までは踏み込まなかった。市場では消費増税の延期表明は織り込み済みだったが、経済対策の概要が明らかになったうえで、早ければ6月にも日銀が追加緩和に踏み切るとの期待感もあった。秋口に景気対策を講じるとなれば、追加緩和は先延ばしとなるとの見方が強まったようだ。

とはいえ、先々に景気対策と追加緩和が打ち出されるとの期待感は残っていくだろう。極端な地合いの悪化には至らないのではないか。一時的な政策期待の後退にとどまるのであれば、日経平均で1万6000円台は維持されるとみている。

●想定外の下げに困惑、海外短期筋の売買が翻弄

<大和証券 チーフグローバルストラテジスト 壁谷洋和氏>

想定外の下げで困惑している。薄商いが続くなかで、海外勢を中心とする短期的な売買に振り回されているのだろう。前日の安倍晋三首相の記者会見では、消費増税の再延期が表明されたが、予想通りとの評価はあくまで国内での見方であり、海外にはそう映らなかったのではないか。財政政策の規模が出なかったことなどが失望されたのかもしれない。

また午前中に日銀の佐藤健裕審議委員が「無理に2%を達成する必要はない」などと刺激的な発言をしたことも株安要因の一つとみられる。先行きも波乱含みの海外イベントを控え、見通しづらくなっている。

●期待先行の上昇後の売り、トレンド変化なし

<アムンディ・ジャパン 市場経済調査部長 濱崎優氏>

超短期筋が相場を動かしているだけとしか受け止められない。伊勢志摩サミットから特段、これといった材料はない。米国株も小動きだ。ただ日本株は、消費増税先送りなど政策への期待が先行する形で上昇してきた。値ごろ感から売りがかさんだとみることもできる。値幅は大きいが、トレンドが変わったかというとそうはとらえていない。政権なりに次の経済対策を打ちだすタイミングも計っているはずだ。

日銀の追加緩和をめぐっては、すでに効果はないとする市場の見方もあるが、参院選の前でもある。追加緩和に踏み切り、今後の景気対策への期待を持たせる形にするシナリオも考えられるため、ないとはいえない。日銀の金融政策決定会合前には、緩和期待が高まることも考えられる。さらに米利上げの期待などを織り込む形となれば、もう一度日経平均は1万7000円台半ばをトライする可能性もある。

(長田善行、杉山容俊 編集:伊賀大記)

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