先週は、オバマ米大統領にとっては踏んだり蹴ったりの1週間だった。

 大論争に発展中のニューヨークの「グラウンド・ゼロ」近くのモスク建設計画を擁護するとも取れる発言をすると、16日には身内民主党の大物議員から計画に「反対」だとそっぽを向かれた。

 

 17日には、ギャラップ社の世論調査でオバマの不支持率が51%と初めての5割超えを記録(支持率は42%)。19日に発表されたピュー・リサーチセンターによる世論調査では、アメリカ人の約5人に1人(18%)が「オバマはイスラム教徒」だと思っていることが明らかになった(言うまでもないが、オバマはキリスト教徒だ)。

 19日から10日間の夏休みを取るといえば、「国民が大変なときに高級リゾートでバカンス」とたたかれる始末。

 夏休みに入る直前の3日間は、中間選挙に向けて5つの激戦州を回る「資金集めツアー」を決行し、得意の遊説で民主党の挽回を試みたオバマ。だが、支持率が低い地域ではオバマの登場が地元の民主党候補者にとって「ありがた迷惑」になりかねない。手伝いたいけど、控えめに――こうしたホワイトハウスの気遣いを笑い飛ばすかのように、16日に共和党がオバマに送りつけた残暑見舞いが、こちらのCMだ。

 共和党が制作したこのCM、タイトルはその名も「CRAZY」。8月9日、米格安航空会社ジェットブルー航空の客室乗務員が乗客の振る舞いにキレて、「こんな仕事は辞める」と大声で機内にアナウンス、缶ビール2本を片手に飛行機の緊急脱出シュートを使って逃走した事件のパロディーだ。大統領専用機エアフォース・ワンに乗っているのは、オバマ政権を遠ざけるような発言をしてきた民主党議員たち。キャプテン・オバマが、さあ皆さん、あなたたちの地元の「資金集めツアー」に出発します、とアナウンスすると、民主党議員たちが「ギャー!!!」と相次いで奇声を上げ、エアフォース・ワンから(オバマから)逃走するという内容だ。「オバマには来て欲しくない」という民主党候補たちの心情を、共和党が(勝手な解釈で)代弁してやろう、ということらしい(途中、なぜか04年大統領選の民主党予備選で「ヤー!!!」という奇声を上げて葬り去られたハワード・ディーン元候補の映像が登場するところが、何ともニクイ)。

 11月2日の中間選挙まで、あと70日。支持率低下に苦しむオバマ自身が、突然キレてエアフォース・ワンから飛び降りないことだけを願いたい。そう、どこかの国の「政権投げ出し」総理のように。

――編集部・小暮聡子

このブログの他の記事を読む