[東京 30日 ロイター] - 第一生命保険<8750.T>の渡辺光一郎社長は、来年10月に予定している持ち株会社移行の狙いについて、複数の保険会社をグループに持つ「マルチブランド」戦略を進めやすくすることだと指摘した。そのうえで中長期的に国内での合併・買収(M&A)も視野に入れているとの見解を示した。
ロイターとのインタビューで語った。
株主還元策では、グループの利益が計画より上振れた場合に、自己株取得を活用する考えを示した。
インタビューの主な内容は以下の通り。
──2015年は保険業界で大型M&Aが相次いだが、第一生命の戦略は。
「持ち株会社に移行する狙いのひとつとして、国内外を問わずあらゆる機会が生じた際に、最も早く迅速に対応できる体制にしたいということがある。会計制度や規制などの理由から、日本では、米国のように極めて柔軟な形で買収ができるようになっていない」
「中長期的にみると、日本でも人口動態などの要因もあり、保険市場の変動があれば(M&Aが)いつ起きてもおかしくない。現行の中期経営計画の期間中(2015─17年度)は、なかなか想定しにくい。ただ、持ち株会社体制を整備する。それ以降は、いつ起きてもおかしくない」
──M&Aの狙いは。
「事業規模やトップライン(保険料収入)狙いのM&Aは志向しない。グループシナジーにつながるかどうかが非常に重要。われわれの成長、企業価値向上につながるものでなければやらない。常に買収がEPS(1株利益)、時価総額に貢献するかが問われる」
「われわれはマルチブランドで行き、そこでシナジーを発揮したい。(長期の保険契約を抱える)生保はシステムインフラの問題があって、合併させてもコスト効率はなかなか上がらない。いろいろな効率を上げるためにも、持ち株会社体制が重要だ」
──株主還元については。
「配当は約束して安定的に着実にステップを踏んでやってきている。特に個人株主は1株あたりの配当に対する関心が高い。あらかじめ自己株買いについて約束はできないが、利益水準が計画より上振れたときに実施するということを(15年5月の通期決算と同時に発表した自己株式取得で)明確に示した」
*インタビューは24日に行いました。
(浦中大我、江本恵美 編集:田巻一彦)