[東京 25日 ロイター] - 政府は11月の月例経済報告で、国内景気の総括判断を「このところ一部に弱さもみられるが、緩やかな回復基調が続いている」として、先月から据え置いた。設備投資を下方修正したが、企業収益では良好な環境が維持されているため、全体を修正するほどではないと判断。ただ消費、設備投資、さらに生産が収益・所得環境に比べてさえない状況に変わりはなく、「一部に弱さ」との表現は外せないままだ。

設備投資は先月までの「総じて持ち直し」の判断を「おおむね横ばい」に下方修正した。機械受注統計や資本財総供給といった関連指標が弱い動きとなっており、企業の成長期待の回復の鈍さや中国経済の減速による短期的な慎重化も背景にあるとみているためだ。

他方で、上方修正したのは輸入。先月までの「このところ弱含んでいる」から「おおむね横ばい」に修正した。国内消費がほぼ横ばいで推移していることの反映もあるとみている。

消費は「総じてみれば底堅い動き」で据え置き。9月の消費総合指数は横ばい、自動車販売や家電など耐久消費財の販売も振れはあるがおおむね横ばい、マインド面も消費者態度指数も一進一退となっている。このため、消費全体としては下方に振れてはいないものの、拡大傾向にあるわけでもなく、横ばいの動きにとどまっていると判断している。

非製造業を中心に企業収益は好調で、実質雇用者所得も持ち直しているなど、景気の背景となる所得環境は良いが、それが消費や設備投資の拡大につながっていないというのが月例の景気判断の基調となっている。生産や輸出といった外需関連は10月にプラスとなったものの、従来の落ち込みを取り戻すほどの勢いはなく、どちらも判断は「弱含んでいる」で据え置かれた。

先行きについても、中国発の世界同時株安の影響については削除されたが、「各種政策効果もあって緩やかな回復に向かうことが期待される」として、あくまで「期待」の域を出ていない。

米金融政策の正常化や、中国・アジア新興国の景気が下振れするリスクについての言及も残っている。

(中川泉 編集:田中志保)

Reuters Copyright (C) 2026 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。