BBCで最近報じられたある世論調査によると、EU加盟国からの移民の91%、EU域外からの移民の82%が、イギリス国内で差別されているとは感じない、と回答したという。ブレグジット投票は、多くのイギリス人が外国人嫌いであり、イギリス政治が離脱派ナショナリスト「寄り」であることを明らかにした、という理論と、こうした世論調査の結果はかみ合わない。

イギリスのメディアで人種差別問題が盛んに報じられるのは、イギリスが人種差別に強く反対しているからこそだ(毎度のことだがBBCは、その世論調査で唯一にして最大の懸念材料を重点的に取り上げた。それは、「移民第2世代の30%が差別を感じている」〔*下記解説参照〕というものだ)。真の人種差別主義の国だったら、政治家もメディアもこの問題にここまで神経をとがらせることはないだろう。

ある意味、ブレグジットは全てを変えるが、重要な部分でイギリスは変わらないままでいる。

【*解説】

移民第2世代が親世代よりも差別を感じている理由は、こう説明されることが多い。第1世代はイギリスで暮らすチャンスを得たことに心底「感謝」する傾向が強い。それは出身国より恵まれた経済的機会のおかげかもしれないし、法と秩序かもしれないし、教育や住居や医療や政治制度や、あるいはそれら全てのおかげかもしれない。それはつまり、移民第1世代は概して「大局的」に状況を見ていて、たまに不快なことがあっても受け流せるということだ。

ところが第2世代は、(当然ながら)これらイギリス市民としての恩恵を「感謝すべきもの」ではなく「生まれながらの権利」だと捉えている。それどころか、人種的マイノリティーがまだまだ特定の職業や役職から締め出されていることから、彼らは不利な状況に置かれていると感じているかもしれない。特に、相も変わらず「出身国はどちら?」と尋ねられては「ここです」と答えるたび、イギリス社会から完全には受け入れられていない存在なのだと感じてしまうかもしれない。

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