多くの銀行がAIによる効率向上を誇るが、AIは雇用にも影響を及ぼす。ブルームバーグ・インテリジェンスは昨年初め、今後3〜5年間に世界で最大20万人の銀行職がAIによって削減される可能性があると報告した。モルガン・スタンレーは昨年12月、30年までに欧州だけで同規模数の職が失われかねないと予測している。シェミアトコフスキーによれば、クラーナでは社員を解雇ではなく、退職者で空いたポストをAIに置き換えることで、「自然減」による人員削減ができている。
暗号資産はかつて、麻薬や武器の密売人などの犯罪者が国境を越えた支払いを匿名で行うための道具と見なされていた。現在もそうした利用の可能性はあるものの、ビットコインなどの価値上昇とともに、伝統的な銀行制度に組み込まれてきた。
特にトランプが再選されて以降、その傾向が強まっている。昨年3月、トランプは「戦略的ビットコイン準備金」と「アメリカ・デジタル資産備蓄」を設立する大統領令に署名した。昨年8月には確定拠出年金401k加入者が暗号資産を含む代替投資にアクセスできるようにする大統領令にも署名している。
「ビットコインは自由、主権、政府による強制・支配からの独立を象徴する」と、トランプは24年の大統領選期間中に、テネシー州ナッシュビルで開かれたビットコイン関連の会議で語った。21年には、ビットコインは「詐欺のようだ」と語っていたから、劇的な転換だ。
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