顧客を守るのはAIか人間か

「具体的な例を挙げよう」と、金融大手バンク・オブ・アメリカ(バンカメ)のハリ・ゴパルクリシュナン最高技術情報責任者はこう切り出す。「昔は銀行の法人営業担当者が顧客に会いたいと思ったら、事前に数日かけてその顧客のニーズを調べ上げたものだ。現代の法人営業担当者は、バンカメが開発したAIソリューションに『顧客Xに会いに行く』と入力すると、その顧客が関心ある情報が自動的に示される。また、サードパーティーの情報ソースを調べた概要も作成してくれる。それをチームメンバーが見て、情報を追加したり削除したりする。担当者はこの資料をベースに顧客を訪問できる」

ただ、今後もカスタマーサービスの一部は人間が担い続けると、ゴパルクリシュナンは強調する。テクノロジーには限界があり、AIは人を「よりハイテクに、そしてより人間らしく」すると言うのだ。

「どこまでテクノロジーを活用するかは、顧客が人間のアドバイスを欲しいと思うところが境界線になる。テクノロジー自体は、人間よりもずっと多くのことができるが、私たちは顧客が専門家と話をできるようにし、あえて人間の判断を組み合わせて知見と責任の下で顧客を守る。そこが一線を引く場所になる。ただテクノロジーを自動的に先行させるのは好まない。私たちは何よりも、『いま顧客にとって何が問題か』という問いから出発したい」

AIは雇用にも影響