一方で、「移民政策」という言葉にはさまざまな歴史的定義があるが、機能的に言えば、人の移動をどう管理するかという政策だ。国境を越えた人の移動をどう扱うか、ということに尽きる。

人の移動には、短期で来てすぐ帰る人から、一定期間滞在する人、さらには長く住む人まで、さまざまな形がある。移動のポートフォリオには幅がある。戦前の日本が想定していた「移民」はその中でも最も滞在期間の長い人たち、つまり国外に渡って半永久的に暮らす人を指し、そこを対象に移民政策を行っていた。

戦後の日本は、自由主義・資本主義国家として人の移動を広く認めなければ社会経済が成り立たない。金融や財の取引と同じで、さまざまな移動を管理する必要があり、当初は短期滞在者を中心に扱ってきた。

しかし経済成長とともに移動は活発になり、滞在が長くなる人や家族を持つ人が増えてきた。これは日本人が国外に出る場合も同じだ。

その結果として、滞在期間の長い、昔で言えば移民に近い人たちが増えてきた。隠してやってきたというより、自由主義国家として多様な移動を認めてきた結果だ。

日本に帰化する人は国際的に見ても非常に少ない