Michael Martina David Shepardson Eduardo Baptista

[ワシントン/北京 9日 ロイター] - 米国防総省は8日、中国軍を支援していると見なす「中国軍関連企業」に電子商取引大手アリババ・グループや検索エンジン大手の百度(バイ​ドゥ)、電気自動車(EV)大手BYD(比亜迪)などを追加した。両国間の緊張が高まる可能性がある。

今回の見直しにより、2025年初めのリストが更新される。新リストには中国軍と産業の能力向上に重要な役割を果たす同国の主要テクノロジー企業が幅広く含まれており、米中間の激しい地政学的競争の中で米政府が抱く安全保障上の懸念を反映している。

同省は今年2月、トランプ氏が近く訪中するとみられていた時期に更新版を一時的に掲載したが、その後説明なく撤回していた。

8日に公表された新版は撤回された2月のリストとほぼ同じ内容だが、半導体メモリーメーカーの長キン存儲(CXMT)とフラッシュメモリー製造大手の長江存儲科技(YMTC)が含まれている点が異なる。両社は2月のリストで削除され、米国の対中強硬派の反発を買っていた。

このほか追加された企業には、バイオテクノロジー企業の無錫薬明康徳新薬開発、人工知能(AI)を活用したロボティクスを手がける速騰聚創科技、ヒト型ロボットと四足歩行ロボットの宇樹科技(ユニツリー)が含まれる。米AI半導体大手エヌビディアは今月、研究者向けロボット開発でユニツリーと協業する計画を明らかにしていた。

BYDは、軍事企業とレッテルを貼られることに断固として反対し、自社の権利と利益を守るために「あらゆる実行可能な行政的・法的手段」を講じると表明。また、今回の決定は「米国における自社の開発成果」を損なうものだと付け加えた。

アリババは、同社がリストに名を連ねたことについて「根拠がない」と指摘。「アリババは中国の軍事企業ではなく、いかなる軍民融合戦略の一部でもない。当社を不当に表現しようとする試みに対してはあらゆる法的措置を講じる」とする声明を出した。

無錫薬明康徳新薬開発は、リストへの掲載は「誤り」だと反論。「異議を申し立て、是正するために直ちに行動を起こす」と述べた。

百度はリストへの掲載に反発し、「自社が軍事企業であるという主張は全く根拠がない。リストから社名を削除させるため、利用可能なあらゆる手段をちゅうちょなく講じる」とした。

CXMT、YMTC、速騰聚創科技、ユニツリーはコメント要請に応じなかった。

中国外務省は9日、このリストは差別的であり、中国企業を「不当に抑圧する」ものであると述べ、米国に対し「誤った慣行を是正する」よう要求。「中国は中国企業の正当な権利と利益を断固として守るため、必要な措置を講じる」と述べた。

一方、中国国有石油大手、中国海洋石油集団(CNOOC)傘下のCNOOCチャイナとCNOOCインターナショナルトレーディングなど一部企業はリストから除外された。ただ、CNOOC子会社の中海石油化学は追加され、同省はCNOOCが中国政府の直接的な管理下にあると指摘した。

リストから除外されるのは、当該企業が中国軍と関連していないと判断されたからではなく、米国での事業を終了したか、企業名が変更されたためである場合もある。

リスト掲載は中国企業に対する正式な制裁ではないものの、最近の米国法に基づき、国防総省は今月からリスト掲載企業との直接契約が禁止され、27年からは第三者を通じた各社の製品・サービス購入も禁止されることになる。

これらの措置は中国企業とそのパートナーにとって大きなコスト負担となる可能性がある。

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