苦しいトランプ
この「データと体感の乖離」は、景気後退と同等のインパクトを世論に与えかねないと、経済学者は警鐘を鳴らす。
「人々がデータを否定しているわけではない。ただ、その中に自分が反映されていないと感じている」と、ホワイトは言う。
11月の米国統一地方選で民主党が圧勝したのを受け、政権側はインフレ沈静化を強調する姿勢を強めている。第3四半期のGDP速報値を受け、ホワイトハウスは「トランプ政権の経済戦略が機能している証拠」とする声明を発表した。だが、このメッセージは有権者には説得力を持っていない。2026年の中間選挙が迫るなか、この「認識のズレ」が共和党にとって政治的な足かせになる可能性もある。『エコノミスト/ユーガブ』による最新の調査では、無党派層の60.4%が「経済は悪化している」と回答。これは2022年夏以降で最も高い水準の一つだ。
ホワイトは、この状況をバイデン政権末期に似ていると指摘する。「データ上は好調だが、有権者はそう感じていない。いまのトランプは、物価高を正当化しながら経済の好調さを訴えているが、それは政治的に厳しい立場だ」と語った。
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