以上は青年期までの人口追跡だが、もっと後の壮年期、高齢期までの人口変化を追跡することもできる。各年齢時点(10歳刻み)の人口をつないで、生存率曲線を描いてみた。<図1>を見てほしい。

青色は1922年生まれ世代の軌跡だ。戦争の影響もあり、30歳時の生存率は64%、50歳時では61%、4割の人が亡くなっていた。70歳時の生存率は51%(2人に1人)。この世代の寿命の中央値とみていいだろう。大雑把に言うと、「人生70年」の世代だ。
だが、より下の世代だと様相は違う。オレンジ色は1976年生まれの筆者の世代だが、50歳時まで生存率は100%に近くなっている。戦争という人災がなくなったこと、医学が進歩し栄養状態も格段に良くなったことが大きい。
この世代の生存率が50%になるのは90歳くらいだ。寿命の中央値は90歳、「人生90年の世代」となることが見込まれる。「自分は80歳くらいまでしか生きないだろう」と思っていても、案外長生きするかもしれない。長期的な展望を持っておいたほうがいいだろう。
最近生まれた世代だと、生存率が50%の年齢(寿命中央値)は100歳近くになるかもしれない。まさに「人生100年時代」の到来だ。長い高齢期を「引退期」として生きることは、経済的にも心理的にも難しくなる。高齢者の役割革新を、少しずつ進めていかなければならない。
<資料>
総務省『人口推計』
国立社会保障・人口問題研究所『将来推計人口』(2023年)
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