「それが教室であればクラス全員の行動が可視化されているわけではないので、『全員が笑ったわけじゃない』と、笑われた本人も救いを得ることができます。しかしSNS上で賛同した人の名前が分かってしまうと、そこから多大なダメージを受けてしまう。

無視されている子だって昔からいたけれど、家に帰れば別の空間に身を置けましたよね。でもスマホやタブレットがあると、そこでも無視されている状態が24時間ずっと続いてしまう。

しかも、いろいろなコンテンツが流れるスピードが速すぎるので、LINEのグループ外しや既読スルーなどはもはや古典的ないじめに分類され、最近は次々と違うアプリや手段で行われています。言葉だけでは判別できない、非常にリスクが高い狡猾ないじめと言えます」

ちなみに、いじめの認知件数も史上最多で、10年前と比べて約300%の増加率となっている。

石井光太
写真:宮本信義

子どもによる性犯罪は性欲とは違う文脈で起きる

SNS上で子どもを取り巻くいじめの中には、性的な画像や動画を拡散する、いわゆる「児童ポルノ」も含まれている。児童ポルノといえば、これまでは大人が子どもの性的な姿を撮影したり、教師が学校内で盗撮することがたびたび問題になってきた。しかし石井さんによれば、被害者だけでなく、加害者までもが低年齢化している現実がある。

「ほんの小さな子どもたちの間であっても、動画や画像を撮影するのがコミュニケーションツールになっているわけですよね。そうなると、例えばスカートめくりをしたときだって、撮影してしまうことがあります。それが拡散してしまえば児童ポルノになりますが、当の子どもたちにはその意識はない。

今はAVを見なくても、出演者も撮影者も素人というアダルト動画がネットで容易に手に入ります。そのような素人が撮影しているものを見て育てば、自分たちも撮っていいと錯覚しても不思議ではない。そこから弱みを握られて搾取や犯罪に巻き込まれていく危険性がありますが、スマホを持たせないようにするというのは無理な話です」

習い事をやらせれば人間性が育つわけではない