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トランプが大統領に返り咲けば最初は金融市場が動揺するが、長期的には株価は上昇するだろう BRENDAN MCDERMIDーREUTERS

経済

トランプが再び政権を握れば、敵対勢力にダメージを与え、支持層を潤わせるような経済政策を実行する可能性が高い。

実は1期目にもそうした行動を取っている。

税制改革により税控除が増やされたが、州税・地方税控除は大幅に削減された。

これにより主に打撃を受けたのは、カリフォルニア州やニューヨーク州など、税金の高い州の住人だった。

この両州は、民主党支持者が多い州である。

トランプは2期目の政権でも、自身の中核的支持層である白人労働者層──「忘れられた人々」とトランプは呼んだ──を喜ばせようと注力する。

具体的には、支持者へのアピールだけを目的に有害な関税を導入しそうだ。

標的になるのは、中国だけではない。ドイツと日本の自動車産業も狙い撃ちにされる。

トランプが当選した直後、地政学上の惨事と全般的な不確実性への不安により、金融市場は激しく動揺するだろう。

しかし、トランプは規制緩和と減税を推進し、その結果として相場は再び大きく上昇する。

株式投資では、旧来型のエネルギー企業の株を買うといいかもしれない。

アメリカ社会

中国の台頭を抑制するための軍事面の措置について言えば、トランプは、ロナルド・レーガン元大統領流の「力による平和」路線を全面的に追求し、国防支出の大幅な拡大を主張する可能性もある。

それとは逆に、国防支出の削減を主張し、ヨーロッパや日本や韓国に対して相応の負担を強く求める可能性もある。

いずれの路線を選ぶにせよ、トランプは自分の政策に対する忠誠を求め、不平不満を許さないだろう。

トランプへの忠誠に関して、共和党の政治家たちはとりわけ難しい立場に立たされる。

トランプに従順であり続け、アメリカが大切にしてきた価値観に背くのか。

それとも、トランプに異議を申し立てるのか。

私がアメリカの今後を比較的楽観している1つの理由は、数年後の共和党が現在の共和党より信頼できると思っていることにある。

前回の大統領選で敗れた後のトランプは、共和党の政治家たちにとって選挙でそれほど頼りになる存在とは言えなかった。

トランプが推薦した候補者が選挙で圧勝する、といった現象は起こらなかったのだ。

しかも、トランプは今回当選しても4年後に再選を目指せない。

その意味で、当選早々に「死に体」の状態になる。

安倍と外務省はトランプを巧みにいなしたが...
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