ハマスの残虐行為とイスラエルの報復が続くなか、平和的解決は遠いように思える。だが1973年に第4次中東戦争が勃発した際も、6年後にエジプトとの和平が実現するとは誰も予想しなかった。戦争は当事国に厳しい現実を突き付け、新たな始まりにつながる可能性がある。

イスラエルとパレスチナの厳しい現実とは、ヨルダン川と地中海の間にイスラエルのユダヤ人約700万とパレスチナ人700万が暮らし、後者が多数派になりつつあることだ。「一つの国家」はあり得ない。イスラエル人は自国を多数派のパレスチナ人が支配することを許すはずがなく、無国家状態のパレスチナ人を永遠に支配することもできない。

平和への唯一の道はイスラエルとパレスチナの2国家共存だ。今回の戦争の衝撃が双方をその現実に目覚めさせるかもしれない。

©Project Syndicate

231226P38_IS_KAO_04.jpgチャールズ・カプチャン

CHARLES A.KUPCHAN

米外交評議会の上級研究員を務める。オバマ政権の国家安全保障会議欧州担当上級部長。
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