<ロシアは過去24時間で戦車13両、装甲車12両、兵員900名を失ったとウクライナ軍は12日に発表した。さもありなんと思わせる滑稽なほどの映像が暴露された>

ロシアの民間軍事会社、ワグネルと関係のあるテレグラムのチャンネル「グレーゾーン」が、ロシア軍の戦闘車両が兵士を轢いたところとみられる動画を投稿した。

ワグネルは現在、ウクライナ東部の包囲に加わっている。動画が撮影されたとみられるのは、ウクライナ東部の町ブフレダルで、ここ数週間激しい攻防が続いている場所だ。

ウクライナ軍は9日、ロシア軍がブフレダルをめぐる戦闘で数十台の軍事車両を失ったと発表している。

グレーゾーンが投稿したのは、ブフレダルの攻防戦のさなかに最近撮影されたとみられる動画だ。

「ブフレダルではまったくひどいことが起きている。それは何度も繰り返されてきたことであり、かつて問題を批判していた部隊の指揮下でも起きている。それでも問題は終わらない」とのコメントが付いている。

「もちろん、わが軍は敵に対してもダメージを与えている。だが敵の動画を見ると、わが軍には司令部レベルで指揮命令に今も危険な問題があることが見て取れる」

投稿によれば昨年、あるロシア軍の部隊から地元の沿海地方の知事に対し、「無能な」指揮官たちのせいでブフレダル近郊のパブリフカをめぐる戦いで苦戦を強いられたと抗議する声が上がったという。この時、名前が挙がったのがルスタム・ムラドフとズラブ・アフメドフという2人の将官だ。そしてこの部隊は再び、戦闘のただ中にある。

<H4>指揮命令の問題が露わ

「悪名高いが英雄的なロシア太平洋艦隊第155海兵旅団はパブリブカの戦闘中、ムラドフとアフメドフ(ムラドフは現在も司令官の座にある)の名前を挙げて沿海地方のオレグ・コジェミャコ知事に助けを求めた。現在、同旅団はブフレダル制圧に向けて戦闘を続けている」と投稿には書かれている。

惨状は動画を見れば「一目瞭然」だと、グレーゾーンは指摘する。

「車両の残骸が少なくとも30個、体に火のついた乗組員が走り回り、(装甲歩兵戦闘車の)BMPが自国の兵士を轢くなど、チェチェン戦争の1場面のようだ」

【動画】味方を轢く、逃げ惑う、ロシア戦車部隊の相変わらずの無能ぶり

投稿された動画からは、2人の兵士が戦闘車の下敷きになって引きずられたり、1人の兵士が走り出てきた直後に戦闘車が爆発する様子が見て取れる。

親ロシア派勢力が「建国」したドネツク人民共和国を率いるデニス・プシーリンに言わせると、ブフレダル制圧はロシアのウクライナ侵攻の行方を左右する可能性がある。

彼はロシア国営RIAノーボスチ通信に対して1月、モスクワは「ブフレダルからのよい知らせを待っている」と語った。この町を包囲して「解放」できれば、「たくさんの問題が解決する」と述べた。

「この集落を制圧すれば、わが軍の部隊にとってクラスノアルミスク(ポクロウシク)やクラホフスコエ方面への道が開ける」とプシーリンは述べた。

ウクライナ軍は12日、ロシア軍は過去24時間にで戦車13両、装甲車12両、兵員900名を失ったととウクライナ軍は12日に発表している。

ニューズウィーク日本版 戦争インフレ
2026年4月28号(4月21日発売)は「戦争インフレ」特集。

ホルムズ海峡封鎖でガソリン・日用品が高騰。世界経済への悪影響と「出口」を読み解く

※バックナンバーが読み放題となる定期購読はこちら
※画像をクリックするとアマゾンに飛びます