<軍政が外交交渉の切り札として人質を確保?>

ミャンマー治安当局が8月24日、元英国ミャンマー大使のビッキー・ボウマン氏を入管法違反容疑で拘束し、中心都市ヤンゴンのインセイン刑務所に収監したことが関係者の証言などで25日に明らかになった。

軍事政権はボウマン氏がヤンゴン市内の当局に届け出ている住所から他の場所に無許可・無届けで移転したことが入国管理法に違反するとして同法違反幇助容疑のミャンマー人の芸術家で夫のテイン・リン氏とともに拘束したとしている。

現職ではないものの英国の元大使の身柄拘束・刑務所収容に軍政が踏み切った背景には、英国政府による軍政批判や制裁などの他に、ボウマン氏がミャンマーで行っている活動が反軍政寄りの姿勢であることなどが「怒り」を買った可能性が指摘されている。

ヤンゴンでビジネス支援の活動

ボウマン氏は2002年から06年までミャンマー駐在の英国大使を務めた経歴がある。

その後ミャンマーに在住して企業のビジネスの透明性、公平性の向上や人権問題改善などを主に活動目的とする「責任あるビジネスを目指すミャンマー・センター(MCRB)」の代表を務めて活動を続けてきた。

MCRBはミャンマー全地域で関係者との対話やセミナー、ブリーフィングなどを通じて人権尊重など責任あるビジネスを奨励する団体で2013年に創設され、ボウマン氏は代表責任者に就任していた。

MCRBはホームページに26日「ボウマン夫妻が24日に当局に拘束されたことは確認しており、即時釈放を目指して努力している」として当局に対して夫妻の釈放を求めていることを明らかにしている。

一方ミャンマーの英国大使館のスポークスマンは地元メディアなどに対して「英国人の拘束を憂慮しており、当局と接触して大使館として支援をしている」とボウマン氏という具体的な名前をあげることを避けたコメントを明らかにしている。

これは今後の軍政との交渉で「具体的なことへの言及配慮」の立場をとることで刺激を避け、早期釈放を実現させるためとみられている。

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