心理的安全性が確保されていると、ミスの報告のように話しにくいことでも素早く情報共有ができたり、新しいことへの挑戦が増えたり、働くことで満足感や充足感に満たされるようになります。すると個々人の仕事の質は上がり、チームとしての学習が促進され、結果的にチーム全体の成果も向上していく、というわけです。

この、成果や生産性につながるという心理的安全性。よく「仲が良いってこと?」と捉えられがちですが、その本当のところはどうなのでしょうか? もちろん、仲が悪いことが生産性に悪影響を及ぼすことは明らかでしょう。けれども、心理的安全性は、単にチームメンバーの仲が良いということでもありません。仲が良すぎる状態で、現状の人間関係を維持することが優先され、言うべきことが言えない場合も成果は上がりません。

心理的安全性が高いチームとは、仲が「悪すぎる」でも「良すぎる」でもなく、目指すゴールや成果のために「健全な意見の衝突」が起こせるチームです。

心理的安全性の高い組織の共通点とは......

「心理的安全性が大事なのはわかりました。でも、何から手をつければいいのでしょう?」

最近はそんな声を数多くいただくのですが、まずは、職場で使う言葉から変えましょうというのが、一番シンプルで効果的な始め方です。本稿では、日本の職場でよくある場面を厳選し、「言葉」という媒体を通して心理的安全性を高めていく手法をお伝えします。

そのとき鍵になるのが「心理的安全性をつくる4つの因子」です。

私がシニアコンサルタントを務めるZENTechは、日本の組織文化・働き方・職場環境に合わせた「日本版・心理的安全性」づくりに取り組んできました。独自のサーベイシステムSAFETYZONEを開発し、日本の組織を6000チーム以上も計測。検証を重ねたところ、心理的安全性を高めるために重要な因子(要素)を見出しました。

組織力を向上させる「声がけ」の4つのポイント

それが「話しやすさ」「助け合い」「挑戦」「新奇歓迎」の4つの因子です。それぞれについてご説明します。

●「話しやすさ」因子...私は違う意見があるのですが!

雑談を含め、情報共有が頻繁に行われる環境はもちろん大切です。「話しやすさ」因子では、そのような情報共有の「量」に加えて「質」も大切です。

例えばあえての反対意見や、従来のサービスがうまくいっていない兆候など、あなたのチームは、「言いにくいけれど、仕事を前に進めるうえで大切なこと」「不都合だけど、しかし必要な真実」が発言され、共有され、それが歓迎される環境でしょうか?

●「助け合い」因子...困ったことが起きました! 教えてくれてありがとう!

チームワークの根本となる因子で、お互いに助け合える環境のことです。日常的にリーダーや同僚と相談ができ、ミスやトラブルがあったとき、失敗した個人を責めるのではなく、解決・改善に向けて建設的な対話ができる状態です。

特に、あなたがリーダーや先輩の立場であれば、「知らないことをメンバー・後輩に率直に聞いたり、フラットに助けを求めることができるか?」をふりかえってみてください。

「おはよう」に添えるだけで効果が......