マツダは大排気量の余裕を生かして、リーンバーン領域を大きく拡大、出力あたりの燃料消費率を大きく下げることに成功したのだ。さらにディーゼルエンジンの欠点であるNOx排出量の大幅低下も実現している。

特にマイルドバイブリッドモデルでは、効率の低下する低負荷領域は電気モーターに任せることで全域での高効率化を図り、燃費に不利な4WDモデルであるにもかかわらずWLTCモードで21.1km/lという素晴らしい値を実現している。マイルドハイブリッド非搭載でも18.5km/lという数字だ(4WDモデルの場合。2WDは19.8km/l)。

これがどれほどすごいかというと、ボディサイズの近いBMW X3 20d(2000cc)の14.5km/l、M40d(3000cc)の13.8km/lと比較すれば一目瞭然だ。メルセデスベンツGLC 220d(2000cc)も15.1km/lである。

1500ccエンジンのマツダ2並みの燃費か

さらにすごいのは、身内のCX-5 XD(2200cc、4WD)の16.6km/lさえ大きくしのぐのだ。CX-5どころか、1800ccのCX-30 XDの18.7km/lやマツダのSUVで一番小さいCX-3 XDの19.0km/lさえ上回っているのである(どちらも4WDの数字)。

1500ccエンジンを搭載するマツダ2の2輪駆動モデルの21.6km/lに近い水準なのだ。

ディーゼルエンジン以外に目を向けると、ハリアーハイブリッドのE-Fourモデル(2500ccガソリンエンジン+ハイブリッド)の21.6km/lにも迫る値で、しかもハリアーよりパワフルだ(ハリアーのシステム最高出力は222馬力)。

軽油はガソリンよりも安いため、ハリアーハイブリッドより経済的かもしれない。

自社開発・自社製造のトランスミッション

エンジンだけではない。トランスミッションもなんと自社開発・自社製造という新しい8速オートマチックトランスミッションを搭載している(CX-5は6速)。これがまた通常の8速オートマチックトランスミッションとは異なるユニークな特徴をもっている。

通常オートマチックトランスミッションはトルクコンバーターという流体を使った機構を用いるが、CX-60にはこのトルクコンバーターがなく、電子制御の湿式多板クラッチを用いている。

ツインクラッチ式のトランスミッションでは採用例が多いが、通常のオートマチックトランスミッションでこの方式を採用しているのは、私の知る限りメルセデスベンツAMGの高性能モデルだけである。

この方式は駆動のダイレクト感が増し、キレのある加速を楽しめるが、発進時や変速時の快適性はやや犠牲になる。それを緻密な制御によって快適性も担保しているという。

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