米デューク大学の法学教授で、同大学のスポーツ法学&政策学センターの共同ディレクターを務めるポール・ハーゲン博士は、本誌に対して、IOCがメダル授与式を行わないのは、ワリエワのメダルはく奪の可能性を残すことが狙いだと「確信している」と語った。

「IOCは、今回の問題を深刻に受け止めているというメッセージを発信しようとしているのだろう。ワリエワにメダルを授与した後でも、メダルをはく奪することは可能だが、現在の状況について、比較的高い水準の懸念を表明しているのだと思う」とハーゲンは述べた。

カナダのマニトバ大学のサラ・ティーツェル博士も、メダル授与式を行わないというIOCの決定は、ドーピングについてのメッセージを発信することが狙いだというコラーとハーゲンの考えに同調。だが一方で、この決定がワリエワのメダルはく奪の前触れかどうかについては憶測を控えた。

「IOCがメダル授与式を行わないのは、ドーピング違反に対して何も対処しないと思われないようにするためだろう。彼らとしては、この問題に目をつぶる訳にはいかない」とティーツェルは本誌に語った。

出場継続を認める裁定に反発の声が続々

彼女はまた、15歳というワリエワの年齢が、今回の問題を「きわめてデリケートなもの」にしているとも指摘。もしもワリエワが、保護措置の適用されない16歳以上の選手だったら「今と同じ状況にはなっていなかっただろう」と述べた。

IOCはまた14日の発表の中で、15日に行われる女子シングルのショートプログラムで、ワリエワが24位以内に入った場合、17日のフリープログラムには(本来出場できない)25位の選手も参加させると発表。これもまた、ワリエワの競技結果を(たとえ彼女が上位に入っていなかったとしても)後から無効にする可能性を残すための「準備」とみられる。

ワリエワの出場継続が認められたことに、米国オリンピック・パラリンピック委員会(USOPC)をはじめ、複数の現役・元フィギュアスケート選手からは批判の声が上がっている。

USOPCは14日、「今回の決定が送るメッセージに失望している」との声明を発表。同委員会のサラ・ハーシュランド最高経営責任者(CEO)は、「スポーツの品位を守り、選手やコーチなど全ての者が最高の水準を維持するのは、オリンピック・コミュニティー全体の責務だ」と述べた。

「全てのアスリートに対する侮辱」
【関連記事】