<エルドアンは大きな賭けに出た>

トルコでインフレ見通しが悪化し、通貨リラが度重なる最安値を更新するなか、トルコ中央銀行がまさかの追加利下げを発表した。

同規模の経済国ならまず考えられない異例の利下げは、エルドアン大統領の強い意向に沿ったもの。リラ安で国際競争力を高め、経済成長を促す狙いのようだ。

「国民に短期的な痛みを強いる政策で経済が悪化し、支持率が下落するなかで、エルドアンは大きな賭けに出た」と、米戦略国際問題研究所のトルコ専門家、ビュレント・アリリザは言う。「目的は、低賃金で世界の工場たる中国モデルをまねること、そして中国の欧米向け輸出に取って代わることだ」

さらに、トルコが従来の方針を転換して「西側の自由民主主義陣営からの離脱」を究極的には目指しているのではないかとも指摘している。

トルコは2017年の国民投票で大統領の権限を大幅に強化。エルドアンの独断的金融政策を止める者は誰もいないのが現状だ。

From Foreign Policy Magazine

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