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アフガニスタン情勢を協議 ERIN SCOTT/WHITE HOUSE

民主党の内部対立を大々的に取り上げてきた報道の論調も変わり始めている。

この法案が成立すれば、民主党は来年の中間選挙で有権者にアピールする材料が手に入る。「少なくとも、ダメージを和らげる効果はある」と、サバトは言う。

2大法案が成立すれば、バイデンを「無能なおいぼれ」扱いする右派系メディアへの強烈な反論にもなる。

ホワイトハウス関係者や議会関係者に言わせれば、政権の危機だと騒ぐのはまだ早い。中間選挙までにはまだ1年ある。法律を作り、その恩恵が人々に届き始めれば、批判はおのずと鎮まる――というわけだ。

それは、ジョンソン元大統領がやってのけたことにほかならない。

一方、バイデン政権は、インフレ対策にも力を入れ始めている。世論調査によれば、物価の高騰は有権者の重要な関心事の1つになっているようだ。

大統領の側近たちによれば、インフレ対策で連邦政府ができることには限りがあるが、それでも実行できることはあるという。

トランプ前政権で導入された関税の廃止はその1つだ。トランプは、鉄鋼やアルミニウム、木材など、多くの輸入品に関税を設けた。その関税が住宅など多くの分野で価格上昇につながっている。

バイデン政権を支持する労働組合は、関税の廃止に渋い顔をするかもしれないが、撤廃の必要性をしっかり説明するべきだ。

こうしたことを実行すれば、イデオロギーに固執しない現実主義者というイメージが強まるだろうと、側近たちは期待する。ここ2カ月ほどで離れていった無党派層の支持も戻ってくるかもしれない。

「まるでトランプ」なその手法

バイデンが支持を取り戻すために、ほかには何ができるのか。

多くの民主党関係者が認めるように、看板政策に関する党内対立以外の面でも、この夏の数カ月はバイデン政権にとって厳しい日々になった。

そして、それは自分でまいた種だとみられている。悲惨な結果を招いたアフガニスタン撤退と、メキシコとの国境で今も続く不法入国者問題が大きな打撃になったというのだ。

アフガニスタンからの米軍撤退をめぐる醜態は、申し開きの余地がない大失敗だ。

バイデン政権とその周辺は、時間がたてば有権者が忘れてくれると期待しているが、共和党は来年の中間選挙で民主党批判の材料にする気満々だ。

バイデン政権が、アフガニスタン退避を「異例の成功」と位置付けようとしたことも問題だった。

「まるでトランプだ」と、ある民主党議員(匿名を希望)は憤る。「トランプが、新型コロナに関する全てについて、素晴らしい対応をしたと主張したのと同じだ。有権者はそういうデタラメな言動にノーを突き付けたのに」

バイデンは、ワクチン未接種者を叱責する傾向がある
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