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トランプ人気は今も根強いが、有権者の多くは中道路線を望んでいる Andrew Lichtenstein-Corbis/Getty Images

そのためには二大政党から十分な票を奪えるような候補者を立てなければならない。「セオドア・ルーズベルトやジョージ・ウォレスなど善戦した第三政党の候補は出馬時点で既に名が知れていた」と、パターソンは言う。「共和・民主両党の強みを突き崩すには、序盤から勢いに乗れる候補者が必要だ」

知名度も人気も高い候補者を擁立して、いきなり話題をさらわないと勝ち目はない、というのだ。さもないと、有権者はいくら政策に共感しても、第三政党の候補者に入れたら死に票になると思って投票してくれないと、パターソンは指摘する。

だが、有力政治家を二大政党から引き抜くのはそう簡単ではない。しかもブルッキングス研究所のウィリアム・フライが言うように、特に民主党の候補者は今、第三政党に移籍して民主党の票を奪えば、意図せずして最悪のシナリオを実現させる結果になりかねないと警戒している。

党が極端になれば結束は揺らぐ

「トランプ再選の悪夢が民主党を団結させている」と、フライは言う。

だが次期大統領選に向けて、党の方針が極端なほうに振れると、結束は揺らぐだろう。

そうなると民主党穏健派のキルステン・シネマ上院議員や反トランプで鳴らす共和党のキンジンガー下院議員、さらには二大政党のいずれにも属さずテキサス州知事選に出馬の意向をちらつかせている俳優のマシュー・マコノヒーのような有名人が第三政党の看板候補になる可能性も出てくる。

「今はここ何十年もなかったほど、独立系の候補が躍進できる条件が整っている」と、パターソンはみる。

共和党も、ホイッグ党から移籍したリンカーンが大統領選に勝ったおかげで民主党と並ぶ有力政党になったのだ。大政党の交代劇が繰り返される可能性はいつだってある。

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