マンハッタン地検も2019年から捜査を進めてきた。

地検は過去にトランプとその会社を銀行詐欺と保険金詐欺の疑いで捜査していると示唆したことがあるが、大陪審の守秘規則を理由に、詳細を明かさなかった。CNNによると、地検はトランプの納税申告書も含め膨大な書類を精査してきたという。

地検の捜査は、トランプ・オーガニゼーションで長年、最高財務責任者(CFO)を務めてきたアレン・ワイセルバーグへの事情聴取を中心に進められてきたとみられる。ワイセルバーグは民事捜査でも司法当局に召喚され、AP通信によれば2020年に2回証言を行っている。

トランプ個人に何らかの容疑がかけられているのか、またトランプ・オーガニゼーションの不正行為に対し、トランプに法的責任があるかは不明だ。

ホワイトハウスを去った今、トランプはもはや免責特権に守られておらず、証拠が固まれば、起訴される可能性がある。そうなれば当然、次期大統領選での「政権復帰プラン」にも影響が及ぶ。

トランプはいまだに前回の大統領選での敗北を認めず、ジョー・バイデン陣営が大掛かりな不正投票を仕掛けたと主張し続け、2024年の大統領選への再出馬の意欲をちらつかせている。

別件捜査も進行中

トランプの弁護士だったコーエンは、2016年の大統領選の前にポルノ女優のストーミー・ダニエルズ(本名ステファニー・クリフォード)にトランプとの不倫疑惑について口止め料を払った件に関し、連邦議会における偽証罪と選挙資金法違反で有罪となり、懲役3年の刑を言い渡された。服役中にコロナ禍で早期釈放され、現在は自宅拘禁中だ。

そのコーエンが5月18日にツイッターでこんな発信をした。「ニューヨーク州司法長官事務所とマンハッタン地検が書類を精査するにつれ、ドナルド・トランプは窮地に追いやられる!ドナルドと仲間たちが自らの犯した行為の責任を取らされるのは時間の問題だ」

一方ジョージア州フルトン郡の検察当局も、別件でトランプに関する捜査を進めている。2020年の大統領選で、州の選挙結果に影響を及ぼそうとした疑いが持たれているのだ。

フルトン郡のファニ・ウィリス首席検事は、ジョージア州のブラッド・ラッフェンスバーガー州務長官とトランプとの通話の録音内容を調査している。その電話でトランプは不正投票があったと根拠なく言い張り、選挙結果を覆すために必要な「1万1780票を見つける」必要があると主張。州務長官に圧力をかけたとみられている。

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