210406p33_AFG_02.jpg
アフガニスタンからの米軍撤退の延期を示唆するバイデンだが...... LEAH MILLISーREUTERS

つまり、これらの野心的な策が実現できなかった場合には(その可能性は容易に予想できる)、米政府は5月1日にできる限り近い時期にアフガニスタンから米軍を撤退できるよう今から計画すべきだ。

米軍が一方的に居座れば、タリバンはアメリカとの合意やアフガン政府との和平プロセスを法的に無効であると宣言するだろう。そうなれば、ソ連の侵攻に始まる40年来の紛争を終わらせる最高のチャンスを無駄にしかねない。アメリカは、抜け出したくてたまらないこの戦争に再び引きずり戻されるかもしれない。

アメリカはこれまでアフガニスタンにおいて対テロ戦争に特化してきたが、今度はタリバンによる猛烈な反乱に巻き込まれていくことになる。アフガニスタンで暴力が進行したとき、最も大きな犠牲を払うのはいつも一般市民だ。

バイデンは国内的にも大きな代償を払うことになるだろう。バイデンが米軍の駐留延期に反対してきたのは、それが米国民の支持を得られないと考えているからだ。米軍が5月1日以降も駐留を続けるなら、駐留軍に対する危険は増す。また、コロナ禍による経済苦の最中に新たな軍事費を注入することにもなる。

将来的に米軍はタリバンによる猛攻の中で撤退する羽目になる、という悪夢のシナリオも目に浮かぶ。米国民がこれらの展望を支持するとは思えない。

5月1日に撤退した場合、悲惨な結果を招く可能性もある。自分たちの優位を察知したタリバンは、武力による権力奪取の動きを強めるかもしれない。そうなればアフガニスタンは血で血を洗う内戦に逆戻りだ。

しかし、アメリカに情勢を完全に安定させる力はない。米軍が駐留していても、アフガニスタンは記録的な民間人の死傷者を出している。市民を標的とした意図的な「粛清」も続いている。

タリバンは既にアフガン全土で攻勢に出ている。現在では、20年前の米軍によるアフガン侵攻後で最大の領域を支配下に置いている。

望ましくないがましな道
【関連記事】