もちろん、第2波、第3波を避けるための慎重さ、戦略が必要だ。また、現在、流行拡大中の国々、特にアフリカを含む低所得国への支援が重要だ。自国で感染流行が収束しても、世界で終息しなければ、また自国に戻ってくる。

危機は乗り越えなければならないが、さらに新たな未来を見据えて、変革の好機とも捉えるべきだ。テレワーク、働き方改革、遠隔医療、オンライン授業......これまで進まなかったことが「やればできる」との自信につながっているところもある。自粛生活、経済活動の停止の中で見えてきた価値もある。創意工夫やイノベーションの活性化にもつながっている。

国際的に見れば、地球温暖化を含め、地球規模の課題を違った角度から分析し、将来の在り方を検討する好機でもある。経済指標だけではない、「豊かさ」に対する新たな価値観やアプローチをつくり出すチャンスでもある。

今、これまでのコロナとの戦いを振り返りながら、「ポストコロナ」「ウィズコロナ」を考える時である。

(筆者は元長崎大学熱帯医学研究所教授。これまで国立国際医療センターやユニセフ〔国連児童基金〕などを通じて感染症対策の実践・研究・人材育成に従事。新型コロナウイルス禍で世界はどう闘っているのかを追った新著が、7月末にCCCメディアハウスから緊急出版予定)

<本誌特別編集ムック「COVID-19のすべて」より>

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我々世界で感染症と闘ってきたものにとって、微少な病原体が動物から人間にスピルオーバーし、世界を席巻する新たなパンデミックが起こることはある意味で必然だった。ペスト、インフルエンザ、エボラ熱、エイズ(後天性免疫不全症候群)、SARS(重症急性呼吸器症候群)......歴史を見れば明らかである。

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