「(損害賠償を求める主張を)聞かせたい相手には連邦議会も含まれると私は考えている。狙いは中国政府の免責の幅を制限する法整備に向けた基盤作りだ」とワースは言う。「損害賠償や商業活動の例外規定が当てはまらないことなど先刻承知だ。中国から免責を奪うための法律を作って欲しいということだ」

米議会はそれを、2016年に成立させたテロ支援者制裁法(JASTA)でやった。これで9.11同時テロの犠牲者の遺族は、サウジアラビア政府に損害賠償を求めることが可能になった。言い換えれば、ミズーリ州の訴えは、JASTAの中国版を作ることかもしれない。

「何らかの具体的な行為を、FSIAの保護の対象外にすることはできる。例えば新型コロナウイルスを例外にするとか、もっと一般的に生物学的損害を例外扱いにするとかだ」と、ワースは言う。

上下両院の議員たちは、まさにそうした法律を作ろうとしている。上院では今週、「ストップCOVID法案」が提出される予定だ。故意であろうとなかろうと、アメリカの人やモノを傷つける生物を持ち込んだ外国主体を相手取った訴訟に道を開く法案だ。下院も同様の法案を用意している。

だがこれにはもちろん、問題がある。もしアメリカの裁判所が新型コロナウイルスの扱いに関して中国政府の責任を問えることになれば、世界中でアメリカがもたらした損害に対する訴訟が起こるだろう。

「もし新型コロナウイルスのことで中国政府を訴えられるなら、イラク戦争や地球温暖化でアメリカが訴えられることになりかねない」と、トラクトマンは言う。

(翻訳:村井裕美)

From Foreign Policy Magazine

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