しかし、同時に観光業は気候や世界情勢の影響を受けやすい、リスクを伴った産業であることも事実だ。この原稿を書いている今(4月上旬)、まさに新型コロナウイルスの甚大な被害が拡大しているところである。まだ先が見えないため影響の規模は計り知れないが、フランス外務省は3月末の段階で、四半期で400億ユーロ(約4兆7200億円)の売り上げ減を見込んでいる。

フランスの観光業界はもちろん大きな衝撃を受けている。だが、絶望にも陥っていない。2015年、イスラム過激派の同時多発テロに見舞われた際は、翌2016年に首都パリ近郊だけで10億ユーロ(1180億円)の減益があった。しかし2017年には外国人観光客数が回復軌道に乗り、2018、2019年は国内需要も戻った。

その経験から、今回も事態収束後に可能な限り迅速な復活を実現すべく、政府が補助をし、事業・雇用の維持に努めている。

明けない夜はない──。フランスの人々は未曽有の事態を楽観しているわけではないが、悲嘆に暮れているわけでもない。今できることを、淡々とやる。そんな心の余裕と、いい意味での図太さも、日常的にバカンスを楽しんでいる人生の達人だから持てるのかもしれない。

<2020年4月21日号「日本人が知らない 休み方・休ませ方」特集より>

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2020年4月21日号(4月14日発売)は「日本人が知らない 休み方・休ませ方」特集。働き方改革は失敗だった? コロナ禍の在宅勤務が突き付ける課題。なぜ日本は休めない病なのか――。ほか「欧州封鎖解除は時期尚早」など新型コロナ関連記事も多数掲載。
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なぜそうなるのかは、カレンダーを眺めると分かる。フランスは義務教育が3歳入園の公立幼稚園(保育学校)から始まるが、そこから大学まで教育機関全てが全国共通の「学校カレンダー」に従って授業を行う。9月に始まり7月初めに終わる年度のカレンダーには、2週間の季節休暇が約2カ月に1度、計4回ある。つまり1回の休暇が終わると、1カ月半後には次の休暇がやって来るのだ。加えて夏休みは約2カ月もある。