日本車への追加関税には楽観論も

首脳会談に先立ち茂木敏充経済再生相とライトハイザー米通商代表部(USTR)代表は3日にわたりワシントンで協議した。ある経済官庁幹部は、日米間で最大の焦点である、日本車に対する米国の追加関税に関し、「日本は除外するとの確約は取れなかったのではないか」と説明する。

菅義偉官房長官は26日の会見で、米国通商拡大法232条に基づく自動車への高関税適用の回避を取り付けることが出来たかとの質問に「交渉が継続中でコメントを差し控えたい」と述べている。

米国は安全保障を理由に日欧からの輸入自動車に対して25%の追加関税を課す検討しており、今年5月には課税判断の期限を11月まで半年間先送りしている。

もっとも日本政府内では「日本は欧州連合(EU)と異なり米国との対話に応じており、追加関税を課されるリスクは小さい」(政府関係者)との楽観論が多い。「ドイツの自動車メーカーと異なり日系メーカーは部品も米国で現地生産しており、米国での雇用創出で貢献が大きいことはトランプ大統領も評価している」(経済官庁幹部)ためだ。

一方、今後の動向は予断を許さないと警戒する声も政府・与党内には依然ある。

5月に米ブルームバーグが「米は日・EUに対し関税賦課を遅らせる代わり対米輸出の『制限ないし規制』を条件に180日間の猶予を与える案を検討」と報じた直後、茂木再生相は「米国が日本に対し自動車の輸出数量制限を求めない方針であることをライトハイザー代表を通じて確認した」と説明した。

しかし複数の政府・与党関係者によると、年間7兆円の対日貿易赤字の過半を占める自動車に関し、日本からの輸出削減と米国での現地生産拡大を求める声が米側には依然あるという。ある政府関係者は「日本政府には民間企業の輸出を規制する権限はないため、どうしても米国が日本の自動車輸出を抑えたいならば、追加関税しかない」と話す。

みずほ総合研究所の菅原淳一主席研究員は「日本は232条の適応対象外だという確約が得られないと今回の合意は危ういと思っている」と指摘している。

(取材協力 金子かおり 編集:石田仁志)

竹本能文

[東京 26日 ロイター]

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