「キス」の効果

パッケージ食品企業として世界最大手のネスレも、小売店に提供する冷蔵陳列ケースへの投資や、流通網の拡大、有名人を起用した広告、高級製品の投入を進めている。昨年ネスレは、「手作りの職人技」を謳うチョコレートバー「レ・ルセット・ドゥ・ラトリエ」を欧州から輸入しはじめた。

ハーシーも全力で追い上げている。

ハーシーがインドのチョコレート市場に参入したのは2016年で、同社のブランド「ブルックサイド」の知名度は低い。参入の翌年には、5年間で5000万ドルの投資計画を発表した。

急成長をもたらしたのは、昨年秋の、112年の歴史を持つ自社ブランド「キス」の投入である。これによってハーシーは、マースを抜いてインド第4位のチョコレートメーカーとなった。とはいえ、同社の製品は国内14都市でしか購入できず、後はアマゾン・ドット・コムやビッグバスケット・ドット・コム、フリップカート・ドット・コムなどの大手オンラインストアに頼るしかない。

ハーシーのインド担当マネージング・ディレクター、ヘルジット・ブハラ氏は、「我々はまだスタートしたばかりだ。全国展開することで規模を拡大し、その後、都市部から農村部へと降りていくことになる」とロイターに語った。

ブハラ氏によれば、ハーシーのインド事業部は昨年、有名人を起用した広告キャンペーンや、店舗ごとの嗜好を分析する携帯デバイスといったテクノロジーなど、想定を上回る投資を行った。

また同氏によれば、インドのネット通販市場も優先課題だという。チョコレート市場においてはネット経由での注文が売上高の4%を超えており、インドの消費財市場全体で見られる1%を上回っているからだ。

(翻訳:エァクレーレン)

Richa Naidu and Siddharth Cavale

[シカゴ/ハロハリ(インド) ロイター]

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