Andreas Rinke
[シンガポール 27日 ロイター] - ドイツのメルツ首相は27日、アジア歴訪の最初の訪問国となったシンガポールのシンクタンクで講演し、欧州とアジアとの間で市場アクセスを拡大し、貿易や技術、安全保障面で協力関係を強めることを呼びかけた。
メルツ氏は、世界秩序の崩壊により共通の利益が脅かされているとして「われわれは地政学上の新たな時代の入り口にいる」と主張。「自由や主権、安全、繁栄が危機にさらされている」として、緊密な協力の必要性を訴えた。具体的には、日本や英国、カナダ、シンガポールなど12カ国が加盟する包括的・先進的環太平洋経済連携協定(CPTPP)の加盟国と欧州連合(EU)の2つの大きな枠組みの連携を提唱した。これらを合わせると「世界貿易の3分の1以上を占める」と指摘。欧州とアジアの関係強化は「長期的かつ戦略的」なものだとし、「新時代に対する最も重要な対応の一つ」だと言及した。
メルツ氏は、中国との完全な経済面でのデカップリング(切り離し)に関しては「誤り」であり、「安全も繁栄ももたらさない」との見解を示した。切り離しではなく、サプライチェーン(供給網)や技術、資源などで「不健全で一方的な依存」を減らす必要があると主張。同時に、貿易面での競争が「過剰生産能力や市場アクセスへの制限で歪められている場合には、是正が必要だ」と述べた。
メルツ氏は今回のアジア歴訪で、日本や韓国なども訪問する予定だ。