Dan Peleschuk Anna Voitenko
[キーウ 27日 ロイター] - ロシアとウクライナは27日、ロシアが占領するウクライナ南部ヘルソン州オレシュキでの人道支援活動を可能にするため局地的な停戦を開始した。停戦により食料・医薬品不足が深刻なオレシュキへの支援物資搬入や住民の避難が可能になる。ただ、首都キーウなど他の地域では攻撃が続いている。
ロシアとウクライナはともに、前線に位置するオレシュ周辺での停戦を順守していると表明した。停戦はウクライナ時間午前3時(0100GMT、日本時間午前10時)に発効し、11月1日まで続く予定。
オレシュキは2022年2月からロシア占領下にあり、食料支援が滞るなどして住民の人道危機が深刻化。ホワイトハウスは先週、トランプ米大統領のメラニア夫人がオレシュキでの停戦実現に貢献したと発表した。
一方、キーウ市当局によると、27日の新たな攻撃で市内の南橋と地下鉄インフラが被害を受けて通行や運行が停止、少なくとも1人が死亡した。
<ロシアによる占領>
オレシュキはウクライナ南部ヘルソン州のドニプロ川東岸に位置し、対岸にはウクライナ軍が支配するヘルソン市がある。ロシア軍は22年2月の全面侵攻開始直後に制圧、支配を続けている。オレシュキは戦争での広範な被害のほか、23年に付近のカホフカダムが破壊された際には、洪水でも甚大な被害を受けた。
米国によると、戦前2万4000人だった人口は、現在わずか数千人に減っている。住民や当局者は、食料や医薬品、その他の生活必需品が深刻に不足していると報告。水道や電気、ガス、地域暖房の供給もほぼ途絶えている。食料や水を手に入れるだけのために住民は地雷が散在する道路を移動している状況だ。
ウクライナとロシアの当局者は、支援物資の搬入と住民の移動を可能にする人道回廊を設置すると表明。道路の地雷除去が必要になるとみられ、数日かかる可能性がある。
ウクライナとロシアは、オレシュキの人道危機の責任を互いに非難している。民間人にとって最大の脅威はドローンで、同市は両軍の無人機が容易に到達できる範囲にある。
<キーウに新たな攻撃>
ロシアによる夜間の攻撃ではキーウの重要な橋である南橋が被害を受けた。ゼレンスキー氏は、ウクライナの物流網に対する「攻撃の深刻な激化」だと述べた。ウクライナ軍関係者によると、南橋には弾道ミサイル「イスカンデル」4発が命中した。
ゼレンスキー氏によると、ほかの10地域でも夜間にエネルギー施設や物流拠点、インフラが攻撃された。
ロシア国防省は、軍事目標を狙った攻撃で、キーウの交通インフラ、ハルキウ州の物流拠点のほか、産業施設や貨物船を攻撃したと発表した。
ロシアでは、ウクライナとの国境に近い西部ブリャンスク市でドローン攻撃により1人が死亡したと当局が発表した。ウクライナのザポリージャ州のロシア支配地域ではバスが攻撃され、当局者によると1人が死亡、30人が負傷した。