デンマークのメアリー王妃が、王室に伝わる歴史的なティアラを初めて披露し、注目を集めている。
10月19日、首都コペンハーゲンのクリスチャンスボー宮殿で、ベトナムのトー・ラム国家主席夫妻を歓迎する晩餐会が開かれた。
フレデリック10世国王とともに国家主席夫妻を迎えたメアリー王妃は、濃紺のドレスに身を包み、サファイアとダイヤモンドをあしらったティアラを着用。その華やかな姿は、デンマーク王室の公式Instagramでも公開された。
このティアラには、128年に及ぶ歴史がある。
もともとは1898年、後にデンマーク王妃となるアレクサンドリーネが、後のクリスチャン10世との結婚に際して贈られた宝飾品だった。贈り主は、ロシア帝国最後の皇帝ニコライ2世と皇后アレクサンドラ・フョードロヴナ夫妻だ。
その後、宝飾品はデンマーク王室の女性たちに受け継がれ、時代に合わせて形を変えてきた。
1933年には、アレクサンドリーネ王妃が次男クヌーズ王子の結婚に際し、義理の娘となるカロリーネ=マティルデ王女に贈呈。このとき、ティアラとしても着用できるように作り替えられた。
さらに1960年ごろにもデザインが変更され、王室ゆかりの宝飾品として受け継がれてきたが、2018年には王族の子孫によって売却され、王室の手を離れた。
転機となったのは2024年。デンマーク王室の歴史的な美術品などを管理する王室コレクションが、この宝飾品を取得した。
今回の披露にあたり、メアリー王妃自身もデザインの刷新に参加。宝飾デザイナーらと協力し、ティアラだけでなく、ネックレスやブローチとしても使える新たな形に生まれ変わらせた。
しかも、今回の改修は元の状態に戻せる設計となっており、歴史的な価値を損なわないよう配慮されているという。
長い歴史のなかで幾度も姿を変え、一度は王室を離れたサファイアの宝飾品。メアリー王妃の手によって、再びデンマーク王室の華やかな舞台に戻ってきた。
なお、このティアラは王妃が着用していない期間、コペンハーゲンのアマリエンボー博物館で一般公開される。