インフレの責任はバイデン政権に
トランプ氏はこれまで、3度の結婚歴や数十件に及ぶ性的不祥事疑惑(本人は否定)、さらにはポルノ女優への口止め料事件など数々のスキャンダルや捜査を経験した。それでも白人福音派との結び付きは維持されてきた。共和党にとって現在の問題は、経済的な圧力や、8カ月目に入ったイランとの戦争への不満によって、その結束が弱まっていないかどうかだ。
ロイターが実際にサウスカロライナ州の2つの教会で計15人に取材したところ、トランプ氏への支持は依然として強かった。ビレッジ・チャーチと、ブライスウッドから車で約90分のスパータンバーグ市にあるカロライナ・バプティスト教会で取材した15人のうち、アンドリュース氏への投票を検討していると答えたのはわずか2人で、トランプ氏への支持を撤回するとした人はいなかった。
イランとの戦争やガソリン価格上昇への不満を口にする人はいたが、多くはトランプ氏ならイランの核武装を阻止できると信じていたほか、インフレの責任を民主党のバイデン前大統領の政策に求める声も少なくなかった。
キリスト教系有権者団体「フェイス・ウィンズ」を率いる福音派活動家チャド・コネリー氏は「福音派は物価高を好まないが、同時に社会問題にも強い関心を抱いている」と説明する。
コネリー氏の話では、トランスジェンダー選手を巡る問題は、今選挙期間中に訪れた約24州のほぼ全てで大きな争点になっているという。
宗教と政治を研究する非営利団体「パブリック・レリジョン・リサーチ・インスティテュート(PRRI)」のロバート・P・ジョーンズ代表は、白人福音派の忠誠心は16年大統領選で成立した「大きな取引」の結果だと分析する。
多くの福音派は、トランプ氏の私生活上の問題には目をつぶる代わりに、中絶や性的少数者LGBTQの権利制限、保守的キリスト教価値観の推進、そして一部支持者が白人キリスト教的な国民アイデンティティーの維持につながると考える厳格な移民政策を期待してきたとされる。ジョーンズ氏は「この取引は、この集団にとってガソリン代よりもはるかに強力な意味を持っていることが証明されている」と語った。