[ベルリン 24日 ロイター] - ドイツのメルツ首相は24日、連立政権内の結束を呼びかけるとともに、政治的過激派の台頭や、ロシアによる日常的な不安定化工作が強まっているとして危機感をにじませた。

メルツ氏は、保守系与党キリスト教民主同盟(CDU)の姉妹政党キリスト教社会同盟(CSU)の党大会における演説で、ドイツは「極めて深刻な課題」に直面していると指摘。「国内の過激派勢力や国外勢力による脅威が増す中で、欧州における自由と安全をどのように守るのかが問われている」と強調するとともに、ロシアが「日々ドイツの不安定化を図っている」と非難した。

ドイツとロシアの関係は、ロシアによる2022年のウクライナ侵攻以降、冷戦終結後で最悪の水準に落ち込んだ。ロシア側は、ドイツや他の欧州諸国に対するハイブリッド攻撃を展開しているとの指摘を否定している。

先に行われたドイツ東部の州選挙で与党陣営が大敗。極右政党「ドイツのための選択肢(AfD)」が2州で第1党となり、首都ベルリンでは左派党が最多得票を獲得した。

こうした結果を受けてメルツ氏の支持率は過去最低水準に低下し、連立相手の社会民主党(SPD)とだけでなく、統一会派を組むCDUとCSUの間でもあつれきが表面化している。

党大会では、メルツ氏が連邦政府に参加するCSU所属閣僚や、CSU党首のマルクス・ゼーダー氏を評価した。また来年退任予定のシュタインマイヤー大統領の後任候補としてCSUが推すイルゼ・アイグナー氏にメルツ氏が言及すると、参加者から大きな拍手が起きた。ただCDUはこれまでアイグナー氏への支持表明を見送っており、関係者の話では、独自候補擁立の可能性もなお残しているという。

一方でメルツ氏は、世論調査で首位に立つAfDとの協力を模索すべきだとの保守派内の一部意見については改めて否定して「AfDと共に投票する政治家に、わが陣営の居場所はない」と述べた。

さらにSPDと緑の党に対し、ベルリンで左派党との連立政権を組まないよう求めた。メルツ氏は左派党が党内の反ユダヤ主義を容認していると批判したが、左派党側は組織的な反ユダヤ主義の存在を否定している。

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