Summer Zhen Anirban Sen
[香港 23日 ロイター] - 世界のヘッジファンドは今週、テクノロジー株の再評価に伴う売りに見舞われ、主要な運用戦略は1日の損失が新型コロナウイルス禍の市場急落時以来の大きさとなった。
人工知能(AI)関連の巨額投資に対する懐疑的な見方が強まり、大型ハイテク株が再び売られた。売りは世界の市場に広がり、ヘッジファンドに大きな打撃を与えた。
ゴールドマン・サックスのプライムブローカレッジ部門は顧客向けリポートで「先週の木曜日がひどいと感じたのなら、きょうはそれ以上にひどい」と記した。
ゴールドマンが集計する主要3戦略(ファンダメンタル株式ロングショート、システマティック、マルチストラテジー)は、22日にそろって1%超の損失を記録した。コロナ禍以来初めてとなる。
今回の売りのきっかけの一つは、AIモデルの構築に数十億ドルを投じるハイパースケーラーの一角、メタ・プラットフォームズが資金調達に向けて新たな種類の株式を発行すると発表したことだった。
メタは22日に7%下落し、7月以来の大幅安となった。エヌビディアは4%下落。ナスダック総合指数は2.6%下落し、6月5日以来の大幅な下落率を記録した。アジアの株式市場も売りの中心となった。原油高と巨額のAI投資への懸念が重しとなった。
市場関係者によると、この下落を受けてヘッジファンドはレバレッジの縮小に動いた。投資が集中するAI関連の取引で損失が発生し、投資家はポジションの縮小とリスクの抑制を迫られた。
ゴールドマンの推計によると、銘柄選別型の世界のファンダメンタル・ロングショート・ファンドは10月に入って3.8%下落した。中国株やテクノロジー株の保有に伴う損失に加え、空売りが集中する銘柄の踏み上げが運用成績を圧迫したという。
ゴールドマンによると、22日までの月間成績では、テクノロジー株を中心に投資するヘッジファンドとアジアを中心に投資するヘッジファンドが、それぞれ約10%、約9%下落し、特に大きな損失を出した。
東京を拠点とするヘッジファンド、トライヴィスタ・キャピタルのパートナー、後藤正樹氏は、同社が6月下旬以降、ハードウエアへの投資を減らしてきたと述べた。AIの可能性を強く信じているとしながらも、投資の集中度が驚くほど高いと指摘。ITバブルの時も同じように投資の集中があったとし、循環的な資金調達にも多少の懸念があると語った。