Eric Onstad
[ロンドン 22日 ロイター] - 米ゼネラル・モーターズ(GM)が、電気自動車(EV)向けレアアース(希土類)磁石を製造する米工場との長期供給契約を解除し、双方が仲裁手続きに入っていることが、規制当局への提出書類と事情に詳しい関係者の話で分かった。GMは同工場の最大の顧客だった。
今回の動きは、世界の永久磁石の約90%を生産する中国への依存を減らし、国内でのレアアース生産を拡大しようとする欧米企業が直面する課題を浮き彫りにしている。
また、トランプ米大統領が2025年にホワイトハウスに復帰し、EVに対する連邦政府の支援を削減して以降、米自動車業界を取り巻く環境がいかに変化したかも示している。
ドイツのバキュームシュメルツ(VAC)は23年、米サウスカロライナ州の新工場からGMのEV向けに永久磁石を供給する長期契約を結んだ。
6月にVACを19億ドルで買収することで合意したエナジー・フュエルズは米証券取引委員会(SEC)に先週提出した書類で、同工場の顧客が7月1日に供給契約を解除し、その数日後にVACがこの顧客に対する仲裁手続きを開始したと明らかにした。
エナジー・フュエルズは顧客名を公表していないが、GMは今週のSECへの提出書類で、EV駆動用モーター部品の供給業者が「当社による戦略的調達契約の解除を受け、損害賠償を求める仲裁を申し立てた」と記した。契約を解除した理由は説明していない。
事情に詳しい関係者は、VACの米子会社e─VACマグネティクスとの契約を解除した顧客がGMだと確認した。
GMとエナジー・フュエルズは、仲裁手続きは非公開だとしてコメントを控えた。
VACは昨年終盤、5億ドルを投じた米国の磁石工場を稼働させた。VACのエリック・エッシェン最高経営責任者(CEO)が昨年9月にロイターに語ったところによると、年間生産能力は2000トン弱で、その90%をGMに販売し、残りを米政府に供給する予定だった。
VACの米子会社は、不当な契約解除を理由に仲裁で損害賠償を求めていると述べた。