5万ドルを払って誕生した愛犬のクローン
やがて、チウッピに悪性リンパ腫が見つかった。癌の一種で、犬には珍しくない。
助けてやりたい。その一心で、私は自宅のあるフロリダ州から西海岸のワシントン州に飛び、最先端の治療を受けさせた。少しでも長く生きていてほしい。そう思うから費用は惜しまなかった。
その過程で、クローニングという選択肢を教わった。今のうちにチウッピの遺伝子を採取してクローンをつくっておけば、その骨髄を移植してチウッピを助けられるかもしれない。担当の獣医からそう言われた。だから私はそのチャンスに賭けた。
でも間に合わなかった。移植の準備ができる前にチウッピは死んでしまった。
どうしよう? 私は迷った。既にクローニングは始まっていて、けっこうなお金もかかっていた。ここでやめるか、続けて(お金はもっとかかるけれど)チウッピの遺伝子が生き続ける道を選ぶか。
私は後者を選んだ。費用は、最終的に5万ドルかかった。
払ったお金に後悔はない。でも罪悪感みたいなものはあった。愛犬が死んだばかりなのに、すぐに別の犬? それって薄情じゃない?
天国のチウッピがどう思うだろうという不安もあった。私が新しい犬を受け入れたと知ったら、たぶん、いい気はしない。そう思った。
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