Yusuke Ogawa

[東京 8日 ロイター] - 10月のロイター企業調査で退職金制度の運用状況を聞いたところ、2020年度以降に制度を見直した企業と、見直しを検討している企業を合わせると46社となり、回答企業の2割を超えた。定年延長などへの対応に加え、優秀な人材の確保を目的に制度を変更する動きも出ている。

調査は9月18日から10月2日に実施。508社に発送し、215社から回答を得た。

制度を「見直した」と答えた企業は30社で回答企業の約14%。「見直していないが検討中」は16社で8%だった。

制度を見直した企業に変更内容を複数回答で聞いたところ、「企業年金制度の新設」と「退職給付額を増額」がそれぞれ6社だった。一方で、「退職給付額を減額」は4社、確定給付型(DB)から確定拠出型(DC)への移行などを含む「その他」が16社だった。

制度を見直した、または検討している理由を複数回答で聞くと、「定年延長・高齢者雇用への対応」が19社で最も多く、「優秀な人材の確保」が18社、「賃金体系の見直し」が16社で続いた。

非製造業に限ると、「優秀な人材の確保」が最多だった。人材の採用や定着が課題となる中、退職金を含む待遇を見直す必要性が高まっていることがうかがえる。

退職給付額を減額した4社は、いずれも代わりに社員の給与を増やした。このうち3社は全社員、1社は20─30代社員の給与を引き上げた。物価高で生活コストが上昇する中、退職金を前払いするなどして月例給与を厚くする企業も出ている。

また、転職機会の増加を背景に、自由回答では「退職金に重きを置く制度は時代に合わない」(卸売)、「長く勤めた人への報酬から、多様なキャリアを前提とした資産形成の選択肢として設計すべきだ」(ゴム)などの声が聞かれた。

(小川祐介 グラフィックス作成:照井裕子 編集:久保信博)

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