Phoebe Seers Iain Withers
[ロンドン 7日 ロイター] - ヘッジファンド業界団体は、英国債を担保に資金を短期的に貸し借りするレポ市場の改革案について、市場のストレスが高まった際に流動性を低下させ、逆効果となる恐れがあるとイングランド銀行(英中央銀行)に警告した。
ロイターが確認した書簡によると、オルタナティブ投資運用協会(AIMA)は今月、英中銀に対し、提案されている中央清算制度を導入すれば「新たな脆弱性」が生まれ、投資家が一段と大きな価格変動リスクにさらされる可能性があると指摘した。
AIMAは昨年、中銀の当初案について「重大な構造的問題」があるとしていたが、今回の書簡はそれよりも踏み込んだ警告となった。
世界的な債券売りを受け、借り入れコストの急上昇に注目が集まっている。英国でも今月初め、30年債利回りが1998年以来の高水準に達した。
監督当局や金融当局は、国債市場におけるヘッジファンドの役割拡大を注視している。国際通貨基金(IMF)は6日、ヘッジファンドが国債市場で存在感を増していると指摘した。英中銀もこれまでに、レバレッジを効かせたヘッジファンドの英国債市場での活動活発化が新たなリスクをもたらしていると述べていた。
英中銀は、英国債レポ市場の強靱性向上を目的とした提案について意見を募集している。提案には、中央機関が買い手と売り手の間に立って取引を保証する中央清算制度の拡大が含まれる。
また、貸し手の保護を強化し、市場のストレスが高まった際の資産投げ売りリスクを抑えるため、中央清算機関を通さないレポ取引について、最低限のヘアカット(割引率)の導入も提案している。
AIMAは書簡で、改革によってヘッジファンドが通常の2週間物ではなく、より短期の翌日物レポによる資金調達に依存するようになり、投資家が資金調達市場の混乱の影響を受けやすくなる恐れがあると指摘した。
最近の世界的な債券売りには直接言及しなかったが、改革案は「市場のストレスが高まった際に、価格変動を一段と大きくする」可能性があるとした。
英中銀のブリーデン副総裁は先に、中銀のウェブサイトに掲載された記事で、同様の取り組みが国際的に進んでいると指摘し、特に米国債市場では2027年から全ての米国債レポ取引で中央清算が義務化されると言及していた。
AIMAは、英中銀は米国の中央清算義務化がどのように機能するかを見極めてから改革を実施すべきだと主張した。