「支援される地域」から、次の地域へ知恵を渡す存在へ
活動は年々広がっている。2023年にディエンビエン省の幼稚園3園で始まり、24年には同地域の新たな3園にも拡大。25年7月からの第3期ではライチャウ省へと展開地域を広げた。3年間で支援先は7園1校となり、児童900人以上、教員・スタッフ130人以上、保護者800人以上を支援してきた。
2026年7月から始まった第4期では、さらに一歩踏み込んだ取り組みを展開。栄養・衛生知識や子供の健康測定について学ぶ対象を地域コミュニティの住民にも広げるほか、第3期支援校の教職員や保護者代表が、新たな支援先と経験を共有するスタディツアーを初めて実施する。企業から地域へ支援を一方向に届けるだけでなく、地域から地域へ知識と経験を循環させる試みだ。
「この給食支援は、子供たちに希望と自信を与え、未来を明るくするものだ」
現地の教員から寄せられたこの言葉は、活動が目指すものを端的に表している。森永乳業は取り組みの意義について「子供たちの一食を支えることは、空腹を満たすだけでなく、健康に学び続ける土台をつくり、彼らの将来の選択肢を広げることにもつながっていく」と考えている。
活動には社員アンバサダーも参加し、本社、研究、海外事業、現地子会社など部門を越えた社員が現地の子供たちと交流している。地域への支援と同時に、社員が自社の事業と社会課題との接点を実感する機会にもなっている。
この取り組みは2026年、Asia Responsible Enterprise AwardsのSocial Empowerment Category部門を受賞した。森永乳業によれば、日本の乳業メーカーとして初の受賞であり、受益者への直接的なインパクトと、戦略的・計画的に構築された取り組みであることなどが評価された。
森永乳業は今後、ベトナムで培った知見を他国へ広げることも視野に入れている。目の前の一食を提供するだけなら、支援する側が主役であり続ける。しかし、その一食を明日も、その先も地域自身の力で支えられるようになれば、主役は地域へと移っていく。支援の本当のゴールとは、支援を続けることではなく、いつか支援がなくても続いていく未来をつくることだと同社の取り組みは教えてくれる。
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どの企業も試行錯誤しながら、サステナビリティの取り組みをより良いものに発展させようとしています。今回の記事で取り上げた事例について、感想などありましたら下記よりお寄せください。